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熱す
「熱す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熱すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
音の聞えたと思うと、光りの円はいつのまにかぼんやりと何か映している。保吉は金属の
熱する匂《におい》に一層好奇心を刺戟《しげき》されながら、じっとその何かへ目を注....
「或る女」より 著者:有島武郎
して人類の祝福のために一生をささげます。
あゝ、筆も言語もついに無益です。火と
熱する誠意と祈りとをこめて僕はここにこの手紙を封じます。この手紙が倉地氏の手から....
「星座」より 著者:有島武郎
快は感じなかった。
園はおぬいさんが進めてくれた茶を静かにすすった。少しそれは
熱すぎた。彼は冷えた両手でほとぼりの沁《し》み残った茶碗を握りしめてみた。そこか....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
「いや。いま寝ようと思っていたところだよ……」母親はなにか狼狽して、「……炬燵が
熱すぎたので、外へ出して冷ましてから寝ようと思って……」 そんな風に弁解する母....
「火星探険」より 著者:海野十三
あい、大小さまざまのパイプは魚の腸《はらわた》の如くに見え、紫色に光る放電管、白
熱する水銀灯、呻《うな》る変圧器などが目をうばい耳をそばだてさせる。七八人の人々....
「父」より 著者:金子ふみ子
に小さくむしり魚は小骨一つ残さず取りさり、ご飯やお湯は必ず自分の舌で味って見て、
熱すぎれば根気よくさましてからくれるのだった。つまり、他の家庭なら母親がしてくれ....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
い熱が久振りに人間の膚を慕って、匐いよってきた。 高熱三時間。これくらい長い間
熱すると、人間の肉や皮は燃えおち、人骨さえ、もう形をとどめず、ばらばらとなって、....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
うもヒルミ夫人を可憐にさせたかを考えるとき、夫人の夫万吉郎に対する火山のように灼
熱する恋慕の心を不愍に思わずにはいられない。 不愍がられる値打はあったであろう....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
断された。医者が痛いかと訊いたらちょっと痛いと答えたそうだ。しかし医者はこれで発
熱すると多分もういけないでしょうといった。もうそろそろ熱が出るのかと思っていると....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
り、薬鑵をひっくりがえしたり、何度も粗相をくりかえした。頭痛が絶えずしており、微
熱すら伴っていた。医師の診断をうけた私は、急性の軽い胸部疾患であることを知った。....
「発明小僧」より 著者:海野十三
軍の上に浴びせかかる。何条もってたまるべき、艦も機も敵兵も大感電して、たちまち白
熱する一抹の煙になって……。」 海相「ああ、もうよろしい。」 短波殺人砲 陸相....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
して、呆気にとられた早苗の手から、二、三枚の銀貨を握ったとき、左枝は突然、脳に灼
熱するようなものを感じた。 一瞬の間に、苦悶も不安も何処へか飛び去ってしまい、....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
静にして何もしないでいれば熱も出なくなりました。しかし少し何かするとすぐに少し発
熱するので、やはり読み書きも許されず無聊に苦しみます。しかしあせらずに養生してい....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ぜず。当夕は満月なれども、微雲に妨げらる。 八日、晴れ。午後驟雨ありて、やや減
熱す。日夜一鳥の飛ぶなく、一帆の浮かぶなく、満目ただ渺茫たり。赤道すでに近きにあ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
の頭銜に持って来るのです。
胆大なること獅子の如く、
足早きこと鹿の如く、
血の
熱することイタリア人の如く、
堅忍不抜は北辺の民の如しと云う工合です。
その先生....