熱度[語句情報] » 熱度

「熱度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

熱度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
いので、室内には二本の蝋燭《ろうそく》が風にあおられながら、薄暗くともっていた。熱度を計った医員は一度一度そのそばまで行って、目をそばめながら度盛《ども》りを見....
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
三 七月が、だんだん終りに近づいた。ワルシャワの市街を照す日光は、日に日に熱度を加えてきた。それと同時にワルシャワを半円に取り巻いている独軍の戦線が、時々....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ところ》は山の絶頂でございます。それでここで私が手を振り足を飛ばしまして私の血に熱度を加えて、諸君の熱血をここに注ぎ出すことはあるいは私にできないことではないか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なってしまいました。孤芳は二十四、万次郎は二十一、男の方が年下であるだけに、女の熱度はだんだんに高くなる。それがお絹の眼についたから堪まりません。すぐに親父に訴....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にやっていたと見えて、近所へは知られなかったのですが、これも女が年上であるだけに熱度がだんだんに高くなる。いくらお人好しでも亭主がある以上、しん吉と思うように逢....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
仕出来すかも知れないので、其蝶もその処置に困ってしまったのです。そのうちにお葉の熱度はだんだん高くなって、使に出た途中、まわり途をして其蝶の家へ押しかけて行くと....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
が再び僕の頭にひらめいた。 T君は娘の顔をながめ、脈を取り、さらに体温器でその熱度をはかった。そのあいだにも娘は時どきに血を吐きそうな強い咳をして、老女に介抱....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
求むる憧憬はますますその度を深くした。そして日に日に切迫してきた。それは宗教的の熱度と飢渇とを示した。乾いた山の町に暑くるしき生を持てあましながら、私は立っても....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
どこの海面に浮きあがっているのであろうか。双方のアンテナから発する無電は、刻々と熱度を加えていった。まるで美しい音楽のようだ。やがてその交信ははたとと絶えた。 ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
る。これは、マルコ・ポーロ時代からひじょうに名が高く、すべてを焼きつくす恐怖的高熱度。砂は焼け塩は燃え、人畜たちまちにして白骨となるという、嘘も隠しもない世界の....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
ものばかりである。 同盟会の一人は、さらに語を続けて述べていうよう。 「かの高熱度を有する火の玉、すなわち一団の大|瓦斯塊は、自ら非常なる速度を有して宇宙の一....
妖怪学」より 著者:井上円了
に飲食すれば苦しき夢を結び、不消化物を食せしときもまた同じ。その他、血液の運行、熱度の矩合等にて夢を生ずること多し。また、夢にて疾病を予知することあり。例えば、....
妖怪報告」より 著者:井上円了
覚えたるによりて提起する原因は、これエトナ山の地も、寝ぬるとき足に感じたるごとき熱度にて、実際必ずその足に感ずべきところなるをもってなり。つぎに、わが睡中におい....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
射下す光と熱との分量は、一抹の増減なし。かかる太陽が、原因の如何に関せず、突然に熱度を変ずべしとの想像は何等の実験にも根拠なき空説なり。」 三十一 こうなると又....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
じて眠った。大阪の天空に一人残された彼も、ようやく神経の平静を取り返した。血潮の熱度も漸次さめていった。 そして、誰一人見知らぬうちに彼はまた元の小男になった....