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熱気
「熱気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熱気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
テリー風《ふう》なすすり泣きに変わって、きたないものにでも触れていたように倉地の
熱気の強い胸もとから飛びしざると、寝床の上にがばと突っ伏して激しく声を立てて泣き....
「みちのく」より 著者:岡本かの子
かかって建て連らねられたF――町は南の山から風が北海に吹《ふ》き抜《ぬ》けるので
熱気の割合に涼しかった。果樹園や畑の見えるだらだら下りの裾野平《すそのだいら》の....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
にこしらえてあるのは、この地方は暑いから、こうしておかないと床の下からむんむんと
熱気があがってきて、部屋の中にいられないそうな。 だが、サムもぼくも、そんな縁....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
二十|米《メートル》以内に近づくことを許されなかった。もしそれを犯そうとすると、
熱気のために気が遠くなるばかりであった。 「残念だなあ。一番乗りはしたけれど……....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
口を極《きわ》めてすでに立ち去りたる巡査を罵《ののし》り、満腔《まんこう》の
熱気を吐きつつ、思わず腕を擦《さす》りしが、四谷組合と記《しる》したる煤《すす》....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
弁解の記事を寄せたほどだった。復興新市街をもった帝都の昼間は、アスファルト路面が
熱気を一ぱいに吸いこんでは、所々にブクブクと真黒な粘液を噴きだし、コンクリートの....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
リ填った魚雷を敵艦の胴中に叩き込もうと、突進して行った。 潜水艦の機関兵員は、
熱気に蒸された真赤な裸身に疲労も識らず、エンジンに全速力をあげさせ、鱶のように敏....
「恐竜島」より 著者:海野十三
れから二人は、雑草をかきわけ、つる草をはらいのけ崖の下をまわってみた。むんむんと
熱気がたちこめ、全身はねっとりと汗にまみれ、息をするのが苦しい。あえぎながらふら....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
けるのだ。それから、またエンジンの音がかすかに聞えるし、逆風のときは、むっとした
熱気さえ感じるのだ。 水兵ジャックは、今たしかにこれを感じた。殿艦シクラメン号....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
いと、あたし焼け死んじまう」 なるほど、露地の奥から火勢があおる焦げくさい強い
熱気がフーッと流れてきた。たしかに火は近づいた。彼は愕いてまた女の腕に手をかけ、....
「風波」より 著者:井上紅梅
賭けをして石コロを投げた。女は真黒な干葉と松花のような黄いろい御飯を持ち出した。
熱気がもやもやと立上った。 文人の酒船は河中を通った。文豪は岸を眺め大に興じた....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
を真っ先に受けたわけである。 冬とは言え珍らしい小春日和で、列車内はスチームの
熱気でムッとする程の暖さだった。銚子に着いたのが午後の一時過ぎ。東京から銚子|迄....
「京の夏景色」より 著者:上村松園
ざいました。 夏の嬉しいものの一つに夕立がありますが、思いきって強い雨が街々の
熱気をさっと洗いながして過ぎさった後なぞに御所の池の水が溢れたりすることもござい....
「妖怪学」より 著者:井上円了
り。また一夕、熟眠せる人の額に冷水の一滴を点じたるに、その人、イタリア国にありて
熱気のはなはだしきを感じ、ブドウ酒一杯を傾けたることを夢みたりという。 明治二....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
り。また一夕、熟眠せる人の額に冷水の一滴を点じたるに、その人、イタリア国にありて
熱気のはなはだしきを感じ、ブドウ酒一杯を傾けたることを夢みたりという。 ○明治二....