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「熱病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

熱病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
にこの少年の悪智慧《わるぢえ》の鋭さに驚いている。川島は小学校も終らないうちに、熱病のために死んでしまった。が、万一死なずにいた上、幸いにも教育を受けなかったと....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
殿の神の代りに、天魔があの祠にいるとすれば、少将は都へ帰る途中、船から落ちるか、熱病になるか、とにかくに死んだのに相違ない。これが少将もあの女も、同時に破滅させ....
或る女」より 著者:有島武郎
とっぷりと隠れてしまって、往来の灯《ひ》ばかりが足もとのたよりとなるころ、葉子は熱病患者のように濁りきった頭をもてあまして、車に揺られるたびごとに眉《まゆ》を痛....
或る女」より 著者:有島武郎
分で知らずにいたに違いない。気むずかしくなってから一週間ぐらいになるから、何かの熱病にかかったとすれば病気はかなり進んでいたはずだ。ひょっとすると貞世はもう死ぬ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
もかくもお前たちだけの尊い所有物なのだ。 自動車のいる所に来ると、お前たちの中熱病の予後にある一人は、足の立たない為めに下女に背負われて、――一人はよちよちと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
思議な血統が主なる原因であった。 徳三郎も初めてお熊に逢ったときに、この怪しい熱病に苦しめられて、お熊の手あつい看病をうけた。病いが癒ってから其の秘密を発見し....
蠅男」より 著者:海野十三
中でも、責任のある住吉警察署の正木署長は佩剣を握る手もガタガタと慄え、まるで熱病患者のように興奮に青ざめていた。 「もし、検事さん。本官はこれからすぐに玉屋....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ないが――敏速な想像力と、南部地方の熱烈な気性とを持っていた。この性質はいつでも熱病のごとくに昂まるのである。ベアトリーチェが恐るべき特質――彼が目撃したところ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
共は、飲酒の為めに、前後不覚の昂奮状態に陥って居る。他の一部は一攫万金を夢みて、熱病患者の如く狂いまわって居る。他の一部は一切の資産を失って、絶望のドン底に呻い....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
できるのです。(あたしたちは、あつい国へいきますが、そこは人間なら、むんむとする熱病の毒気で死ぬような所です。そこへすずしい風をあたしたちはもっていきます。空の....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
と婚約が整っていたのに、彼女はそれを破談にしてしまった。そこで、彼は悪寒を感じて熱病にかかるとともに、幽霊が出るなどとつまらない囈語をいうようになった。要するに....
麻畑の一夜」より 著者:岡本綺堂
医師の意見では、この怪物はむろん動物でもない、人間でもない、一種の病気――まあ、熱病のたぐい――だろうというんだ。さっきも話した通り、河上には流れのゆるい、湖水....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
技術はすべて日本に優るといえども医術だけは漢方に及ばず、ただ洋法に取るべきものは熱病の治療法のみなりとて、彼の浅田宗伯を信ずること深かりしという。すなわちその思....
妖怪談」より 著者:井上円了
ましても、夢を見るものでございます。事柄によりますると、この現象があります。かの熱病にかかった人のごときは、熱のために内部に非常なる刺激を与えますから、心中にあ....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
上にかぶさるようになって何やらする。 「おしまいだな」とフレンチは思った。そして熱病病みのように光る目をして、あたりを見廻した。「やれやれ。恐ろしい事だった。」....