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「熱鬧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

熱鬧の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
影《じんえい》を見ず、天高く、露気《ろき》ひややかに、月のみぞひとり澄めりける。熱鬧《ねっとう》を極《きわ》めたりし露店はことごとく形を斂《おさ》めて、ただここ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
1・1「文藝春秋」) 夏季雑題 市中に生まれて市中に暮らして来た私たちは、繁華熱鬧のあいだにもおのずからなる涼味を見いだすことに多年馴らされている。したがって....
縮図」より 著者:徳田秋声
界が関西の資本によって、大規模の展開を見せ、銀座がネオンとジャズで湧き返るような熱鬧と躁狂の巷と化した時分には、彼の手も次第にカフエにまで延び、目星しい女給で、....
」より 著者:徳田秋声
揺れる白樺や沢胡桃などの、木立ちの下を散歩したりしていたお増の顔には、長いあいだ熱鬧のなかに過された自分の生活が、浅ましく振り顧られたり、兄や母親たちと一緒に、....
謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
に勝とうが、又は乗り換えを忘れようが、終点まで運ばれようが委細構わず、紅塵万丈の熱鬧世界を遠く白雲|緬※の地平線下に委棄し来って、悠々として「四条五条の橋の上」....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
い眼いろをもって、何事か、騒いでいたのである。 夜も昼も、人と燈と神楽ばやしに熱鬧していた祭の混雑に乗じて、ゆうべの深夜から今朝までの間に、総務所の平等坊の宝....
銀河まつり」より 著者:吉川英治
ろの金でも何でも、追っかけに抛り上げたいような狂躁にも唆られる。だが、両国などの熱鬧した花火の晩のあと、暗い霧が落ちて、しいんと都会が冷たくなる時の陰気さはなん....
競馬」より 著者:吉川英治
らないという。 その通りである。だが、私はそれだけを思わない。 あの競馬場の熱鬧は、そのままが、人生の一縮図だと、観るのである。あの渦の中で、自己の理性を失....