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燃やす
「燃やす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燃やすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
だった。じぶんを持することあまりに高いために、すぐ人と争い猜疑心《さいぎしん》を
燃やす癖がある。いまも這々《ほうほう》の体でもどったところへ新しい隊と聴き、彼は....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ためにはどうしても何らかの火の存在が必要であることを述べている。そうしてこの火を
燃やすには空気が必要欠くべからざるものと考えられていたのである。ビュッフォンはま....
「蠅男」より 著者:海野十三
す。なにも痴情の果ではあるまいし、屍体を素裸にして、ストーブの中に逆さ釣りにして
燃やすなんて手数のかかることをするものですか」 「オヤ、君は、あの犯人を痴情の果....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
が演ぜられている。硝煙をふんだんに使い、大道具は、本当にその一部を、舞台のうえで
燃やすという派手な演出法により、観客を文字どおり煙にまいている。 俳優は、アカ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
心細そうに笑って、 「頼むよ。俺は君に、全幅の信頼をかけている」 「マアね、君を
燃やすことは万が一にもあるまいが……、とにかく、われわれは日中を避けねばならん。....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
場女郎を買いに行ったりしていたのである。 私はこうして女の情慾に逆上的な怒りを
燃やすたびに、神聖なものとして、一つだけ特別な女、矢田津世子のことを思いだしてい....
「私は誰?」より 著者:坂口安吾
しいではないか。作家精神だとか「如何に生くべきか」だとか、そういうものは我が胸に
燃やすだけでよいもので、他にひけらかす必要はない。誰にも見せる必要はなく、人にそ....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
弱味もあります。そんなわけで、どちらにもいろいろと弱味があるだけに、余計に修羅を
燃やすようにもなって、その競争が激烈というか、深刻というか、他人には想像の出来な....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
オバルト・フォン・エッセンは、死にさえも打ち捷って、このような熱い接吻で私の唇を
燃やすではございませんか。 貴方、そんな頸の上などは擽っとうございますわ。ねえ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
私室へ入った。床には凉しげに絨毯を敷いてない、高い円天井の室で、炉には冬季に薪を
燃やすための大きな薪架があり、豪奢な時代の豪奢な国の侯爵という身分にふさわしいあ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
砕き去ろうとする狂瀾怒濤に抗して、不滅を叫ぶ興奮から岩礁はいやが上にも情熱の火を
燃やす。遠空にかすむ火山の円錐がこの死闘を静かに見おろして煙を噴く。 鶴見はそ....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
、恋の仲間へは入らない。おりから季節は五月であった。蛍でさえも生れ出でて、情火を
燃やす時であった。蛙でさえも水田に鳴き、侶を求める時であった。梅の実の熟する時、....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
に応じよう。」 「誓いますとも。天日にかけて、神のまします青空にかけて、この胸を
燃やす愛の火にかけてわたしの祈りが聴きとどけられるならば、それらのもののあるあい....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
を入れる事もある。塩、蜜等を入れてその竹の筒をすっかり蓋をしてそれをば竹の薪木で
燃やすです。よく焼けてほとんど外部が黒く焼けてほどよい頃まで焼きます。それを取出....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
えないで、どうかするとちぢれてかたまって、くすぶりがちだった。そのうえ人間の髪を
燃やすような、やにっこい悪臭を発散するので、台所の窓を開けなければならなかった。....