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「燃殻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

燃殻の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
おや今度もまた魂胆《こんたん》だ、なるほど実業家の勢力はえらいものだ、石炭の燃殻《もえがら》のような主人を逆上させるのも、苦悶《くもん》の結果主人の頭が蠅滑....
野分」より 著者:夏目漱石
て、ぬっと門口《かどぐち》を出た二人連《ふたりづれ》の中折帽の上へ、うまい具合に燃殻《もえがら》が乗っかった。男は帽子から煙を吐いて得意になって行く。 「おい、....
小公女」より 著者:菊池寛
屋を出て行きました。 夢はすっかりさめてしまいました。炉の中の紙屑は消えて黒い燃殻になり、テエブルの上に飾ったものは、鞄の中にあった時のように古ぼけて、床に散....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
で、その瞬間に没しかけた。重い輪止が車輪にかけられて、馬車が雲のような砂埃を立て燃殻のような臭いをさせながら丘を滑り下っている時、真赤な夕焼は急速に薄くなって行....
魔都」より 著者:久生十蘭
巻を吸いつけられたことで、この間の事情を想像することが出来ます。洗面所にマッチの燃殻が一本あり、その葉巻は、その後、僅か十分の一ほど吸われただけで階段の下に落ち....
誘拐者」より 著者:山下利三郎
見給え、火鉢の中から出てきた燐寸の燃滓と紙を焼いた灰だ、彼女は莨を喫ないぜ、この燃殻の紙は脅迫状の紙と同質なんだ、机の下から発見した半巾ね、あれには手紙を包んで....