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燎
「燎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
、額に翳している右の腕に添え、眩しくないよう眼庇しを深くして、今更のように文化の
燎原に立ち昇る晩夏の陽炎を見入って、深い溜息をした。 父の水泳場は父祖の代から....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
葉|凋落。 延暦十九年六月六日。富士|山顛自焼。 延暦二十一年正月八日。昼夜|炬
燎、砂礫如。 貞観六年五月二十五日。大火山其勢甚|熾。 寛平七年十一月。神火埋。....
「運命」より 著者:幸田露伴
ず、晏如として※、辺土の黠豪等、或は虚に乗じて事を挙ぐるあらば、星火も延焼して、
燎原の勢を成すに至らんことを虞るるに似たり。此も亦愛民憂世の念、おのずから此に至....
「芝刈り」より 著者:寺田寅彦
ように思ってみたりした。実際そんな単純な考えが熱狂的な少数の人の口から群集の間に
燎原の火のようにひろがって、「芝」を根もとまで焼き払おうとした例が西洋の歴史など....
「一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
数の尊敬しあるいは憎悪するような人が死にでもすればそのうわさは口から口へいわゆる
燎原の火のように伝えられるものである。三月三日に井伊大老の殺された報知が電信も汽....
「地球要塞」より 著者:海野十三
てしまう日が来ると、本気でそう信じている者がいる。そして、今、この誤れる思想が、
燎原《りょうげん》の火の如く、白人の間にひろがっているのだ。だから、われわれの真....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
…いや少し慎もう……竹となり、蘭となる。……情流既に枯渇して、今はただ金慾、野を
燎く髯だからね。向うの写真館の、それ「三大画伯お写真。」へは、三崎座の看板前、大....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
あの群集は昇華され得るであろう。時々にひらめき激し震えるあの広大なる主義と徳との
燎原《りょうげん》の火を、利用し得る道を知ろうではないか。あの露《あら》わな足、....
「カットの文法」より 著者:中井正一
ものが、人民のうらみのことばであり、詩は剣のように、ひそかに政治の誤謬をさし貫き
燎原の火のごとく人の手から人の手にうつりゆく武器となったのである。「諷」と「刺」....
「図書館法ついに通過せり」より 著者:中井正一
べきである。 一つの町が起ちあがれば、次の村もじっとしてはいられないのである。
燎原の火の如く、それは次次に点火されなければならない。一つの郡が他の郡を競争の中....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
自分からすすんでしたものだった。四谷怪談のお岩・播州皿屋敷の侍女お菊・「恋闇鵜飼
燎」などの怪談物で、菊五郎のした女形を可なり克明にうつして、それには成功している....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ような光明がさして、金襴の衾、錦の褥、珊瑚の枕、瑠璃の床、瑪瑙の柱、螺鈿の衣桁が
燎爛と輝いた。 覚悟をしました。たしかに伝来の魔法にかかった。下司と、鈍痴と、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
おびただしい景気に圧倒されて、千歳座側はさんざんの敗軍であった。狂言は「恋闇鵜飼
燎」という散髪物で、菊五郎の芸妓小松が笹子峠で狼に啖われるのと、菊五郎の二役|鵜....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
ったものならば、いかにそれが便宜な葬法だからと云っても、どうで火葬のことだから、
燎原の火の如く火急に広がったものであろうなどと、洒落て済ますべきものではない。葬....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
て、光と蔭と錯綜した曲線の皺がモクモクと動いているようだ。それが谷風に煽られて、
燎原の火の様に山麓から山頂へと一気に音もなく燃え拡がって行く。まるで大きな山火事....