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燔
「燔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燔の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
。一人の科学者に詩の要はない。科学を詩としよう。歌としよう。園は読みなれた詩集を
燔牲《はんせい》のごとくに機械室の梁の上に残したまま、足場の悪い階子段を静かに下....
「父」より 著者:太宰治
》、すなはちイサクを携《たずさ》へ行き、かしこの山の頂きに於《おい》て、イサクを
燔祭《はんさい》として献《ささ》ぐべし。 アブラハム、朝つとに起きて、その驢馬....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ち十四郎の気性が、粗暴になってきて、血腥《ちなまぐさ》い狩猟などに耽《ふけ》り、
燔祭《はんさい》の生き餌までも、手ずから屠《ほふ》ると云ったように、いちじるしい....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
かれる。 雨が小歇みになると、町の子供や旅館の男が箒と松明とを持って桜の毛虫を
燔いている。この桜若葉を背景にして、自転車が通る。桑を積んだ馬が行く。方々の旅館....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ボーンと鐘が鳴り出した。すなわち後夜の鐘である。 この夜、城内の一郭では、尼が
燔刑に処せられた。煙に咽せ、焔に焼かれ、命の絶える間際までも、叫びつづけたと云う....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
変ず、また能く火と変じ、その竜火湿を得ればすなわち焔《も》ゆ、水を得ればすなわち
燔《や》く、人火を以てこれを逐えばすなわち息《や》む、竜は卵生にして思抱す〉(思....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
めた。灯に照らして見ると、彼は青面の大きい※猿に変じていた。打ち殺してそれを火に
燔くと、その臭気が数里にきこえた。 その後、ここに怪しいことはなかった。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
あろうか。人類が引きつづいてる四十世紀の間、一時の愛と母性というただ二つの偶像に
燔祭《はんさい》としてささげられて、いたずらに燃えつくしてる、その熱烈|豊饒《ほ....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
我なれど ああ、あやしきかな 歩み去るその後かげの慕はしさよ 幻の如く、又阿片を
燔く烟の如く 消えなば、いかに悲しからむ ああ、記念すべき霜月の末の日よ モナ・....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
勤まる端役を振り当てた下ごしらえは大掛りだが、肝腎の合戦は音音が仁田山晋六の船を
燔いたのが一番壮烈で、数千の兵船を焼いたというが児供の水鉄砲くらいの感じしか与え....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
肯かれる。 雨が小歇になると、町の子供や旅館の男が箒と松明とを持って桜の毛虫を
燔いている。この桜若葉を背景にして、自転車が通る。桑を積んだ馬が行く。方々の旅館....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
平和の光さし出づる八月九日、此の天主堂の大前に焔をあげたる、嗚呼《ああ》大いなる
燔祭よ! 悲しみの極みのうちにも私たちはそれをあな美し、あな潔し、あな尊しと仰ぎ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、
竈の広さだけ
かっかと燃え立たせる
真木や炭の荷が
なくては済まぬ。
そこで
燔けている。沸いている。
烹えている。渦巻いている。
ほんとに味の分かる男は、
....