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燕尾服
「燕尾服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燕尾服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
膝の上まで。
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綱を上ったり下りたりしている猿。猿は
燕尾服《えんびふく》の尾を垂れた上、シルク・ハットを仰向《あおむ》けにかぶってい....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
中あばただらけの男であったけれど、小役人やその他いろんな顧客《とくい》のズボンや
燕尾服の繕い仕事をかなり巧くやっていた。といっても、もちろんそれは素面《しらふ》....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
食卓の上へ抛り出した。 イワン・ヤーコウレヴィッチは、礼儀のためにシャツの上へ
燕尾服をひっかけると、食卓に向かって腰かけ、二つの葱の球に塩をふって用意をととの....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
二 キャバレエ「オリンピア」の「支配人」佐古五郎は昨日から引続いて、仰々しく
燕尾服を着込んで、鼠のように忙しく立ち廻っていた。村口多鶴子のせいである、「支配....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
でした。日本服でも洋服でも、折目の正しいのは嫌いでした。物を極構わない風でした。
燕尾服は申すまでもなく、フロックコートなど大嫌いでした。ワイシャツや、シルクハッ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
った。――いま舞台の上に、赤星ジュリアの右側の方に、軽いタップダンスを踊っている
燕尾服の俳優は、紛れもなく西一郎だった。つまり覆面をしていない青竜王は何事もなか....
「海底都市」より 著者:海野十三
りっぱな大きな部屋のまん中に突立っていたのだ。 そして僕の前に立っているのは、
燕尾服《えんびふく》を着た、頭のはげた、もみあげの長い、そして背の高いおじさんだ....
「金属人間」より 著者:海野十三
が、楽屋《がくや》の方へわたされていた。 大学生|雨谷《あまたに》は、りっぱな
燕尾服《えんびふく》をつけ、頭髪はとんぼの目玉のように光らせ、それから長い口ひげ....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
むらさきのような黒でお腹が白で、のどの所に赤い首巻きをしておとう様のおめしになる
燕尾服の後部みたような、尾のある雀よりよほど大きな鳥が目まぐるしいほど活発に飛び....
「博物誌」より 著者:岸田国士
とそこで止る。 俗っぽく、てんで見向きもされないために不死の鳥とも見え、朝から
燕尾服を着込んで夕方までしゃべり回り、例の「尻尾つき」を着て全く我慢のならないこ....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
い飾りのある軍装の憲兵が警戒している。その中央を海軍大臣の御案内で、大統領閣下は
燕尾服に赤い広幅の勲章のリボンを斜めに飾って、令夫人御同道にて入場あらせられるの....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
銅像の腰を透かして、背後に迫って、次第に暮れかかる山の寂寞さを左右に視たが、 「
燕尾服の口上が、土地の新聞社という処で、相当にあしらってくれる。これが通訳で。…....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
多く自動車となりたること、第四は街上の敷石がたいてい敷木にかわりたること、第五は
燕尾服、シルクハットの減じたること、第六は髯髭を全く剃去する風の流行せること、ま....
「赤い姫と黒い皇子」より 著者:小川未明
つも黒い馬車に乗っていられます。そして、いつも皇子は、黒のシルクハットをかぶり、
燕尾服を着ておいでになります。そして片目なので、黒の眼鏡をかけておいでになるとい....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
弧の線まで。 あ、たんぽぽだ。 汽車が停まった。 「本斗」「本斗」 山高に
燕尾服の、品のいい老人が、車窓に向って直立した。若い従者がうしろに立った。 老....