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燕麦
「燕麦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燕麦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
進退|窮《きわま》った。彼れは道の向側の立樹《たちき》の幹に馬を繋《つな》いで、
燕麦《からすむぎ》と雑草とを切りこんだ亜麻袋を鞍輪《くらわ》からほどいて馬の口に....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
て、いくらか勾配《こうばい》のある耕地のところで先生と一緒に成った。 「ここへは
燕麦《からすむぎ》を作って見ました。私共の畠は学校の小使が作ってます」 先生は....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
え、自分が馬上で纏っていた軍服や、銃を床下の穴倉へかくしてしまった。木蓋の上へは
燕麦の這入った袋を持ってきて積み重ね、穴倉があることを分らなくした。 豆をはぜ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
男が行って野菜の手入をして遣る。校長の家では毎年|可成な農家ほどに野菜を作った。
燕麦なども作った。休みの時間に成ると、私はこの小使をつかまえては、耕作の話を聞い....
「家」より 著者:島崎藤村
う学校の校長の住居の方へ向いた。古い屋敷風の門を入って、裏口へ廻ってみると、向の
燕麦を植えた岡の上に立ってしきりと指図をしている人がある。その人が校長だ。先生は....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
をゆき過ぎて、草むらに沿うて行きぬ。路の片側にはやや平らかなる土地ありて、野生の
燕麦をもって深く掩われたり。われらが林を出て、モルガンは五、六ヤードも前進せる時....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
それは田舎の夏のいいお天気の日の事でした。もう黄金色になった小麦や、まだ青い
燕麦や、牧場に積み上げられた乾草堆など、みんなきれいな眺めに見える日でした。こう....
「イワンの馬鹿」より 著者:菊池寛
来て、それで刈りはじめ、すっかりライ麦を取り入れてしまいました。 「さて、今後は
燕麦にかかることにしよう。」 とイワンは言いました。 すると、しっぽを切られた....
「博物誌」より 著者:岸田国士
上げ下げして、素直にあとすさりをしながら、轅の間にはいる。 だから、私も彼には
燕麦でも玉蜀黍でもちっとも惜しまず、たらふく食わせてやる。からだにはうんとブラシ....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
彼らは彼らの言葉をもって戦勝の歌を唄いながら、捕虜ホーキン氏を引っ立てた。 麦と
燕麦と椰子の実と 俺らの神様へ捧げよう 係蹄にかかった敵の捕虜 神様の犠牲に捧げ....
「接吻」より 著者:神西清
あげたりしている。御本尊の大砲にしてからが、みっともない恰好だった。砲の前車には
燕麦の袋が積込まれて、それに防水布の覆いがかけてあるし、砲身はというと、べた一面....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
蹴ったりして、乱暴にたたきおこした。馬はここちよい場所で深く眠りこんで、玉蜀黍や
燕麦のみのっている山々や、おおかわがえりやクローバの生えた谷間を夢に見ていたので....
「夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
―これはここから二十八露里もある町じゃがな、あすこの乾草はなかなかええし、それに
燕麦の御馳走も出るのじゃ。ただどうもあそこへ行くのがいやでならんというのは、あの....
「女房ども」より 著者:神西清
けた。ヂューヂャが算盤を抱えて家から出て来る。そして昇り段に腰を下ろして、泊りと
燕麦と水飼い賃は幾らになるかと勘定しだす。 「高いよ、爺さん、その
燕麦の代は」と....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
まことに砥のごとき途上であった。 両側の畑には穂に出て黄ばみかけた柔かな色の
燕麦があった。またライ麦の層があった。トマトの葉の濃みどり、甘藍のさ緑、白い隠元....