燗瓶[語句情報] » 燗瓶

「燗瓶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

燗瓶の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
名君忠之」より 著者:夢野久作
た。床の間の青磁の香炉をタタキ付けた。ギヤマンの茶器を銀盆ごと投げ出した。九谷の燗瓶を振り上げた。皿、鉢、盃洗、猫足膳などを手当り次第に打ち付けた。 与一は右....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
》いだろうが、一本つけてくれ」 爺さんは、頷《うなず》いて、銅壺《どうこ》に、燗瓶《かんびん》を放り込む。 直《じ》きについたやつを、きゅっと引っかけた闇太....
S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
と、夕方の飲残りの酒を持って松原を抜けまして、外海岸の岩山に登って、そこの草原で燗瓶の口から喇叭を吹きながら、銀のように打ち寄せて来る真夜中の大潮を見ております....
斬られたさに」より 著者:夢野久作
を見た。 「……ちょっと主人を呼んでくれい」 「ハイ……」 と云ううちに小娘は燗瓶を置いて立上った。ビックリしたらしくバタバタと出て行った。 「……これはこれ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
。さあ謡いなさい」 ◇ 夕方になると翁は一合入の透明な硝子燗瓶に酒を四分目ばかり入れて、猫板の附いた火鉢の上に載せるのをよく見受けた。前記....
今戸心中」より 著者:広津柳浪
や次の間へ声をかけた。 「おい、まだかい」 「ああやッと出来ましたよ」と、小万は燗瓶《かんびん》を鉄瓶から出しながら、「そんなわけなんだからね。いいかね、お熊ど....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
タ雨戸に破れ障子の三方仕切は、さながらに村芝居の道具立をそのまま。軒先には底抜け燗瓶の中心に「く」の字型の古釘を一本ブラ下げた風鈴一個。短冊代りに結び付けた蒲鉾....
空家」より 著者:宮崎湖処子
みの波立て直ちに出で行き、近処に法事の案内をし、帰るさには膳椀《ぜんわん》を借り燗瓶《かんびん》杯洗を調《ととの》え、蓮根《れんこん》を掘り、薯蕷《やまのいも》....
ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」より 著者:前田河広一郎
、日本酒か、それともウイスケか?』 そうやって、例の掌を大きくふりながら、酒の燗瓶を三四本ならべたあいだから、異容な顔を突出して、誰憚らず大声で身の上話をする....