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「燗番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

燗番の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
まめに体を動かしづめでいる老爺《おじい》さんとが、薄暗いその囲炉裏の側に、酒のお燗番《かんばん》をしたり、女中の指図《さしず》をしたりしていた。町の旅籠《はたご....
仇討三態」より 著者:菊池寛
た。が、彼は新参ではあるが、一家中で誰知らぬ者もない酒好きであった。さっきから、燗番をしながら、樽から徳利の方へ移すときに、茶碗で幾杯も幾杯も盗み飲みをしたので....
石狩川」より 著者:本庄陸男
れを頂かして貰おう、――おや、これも空になっとるか、おい」 彼は立ちあがってお燗番《かんばん》を手招ぎした。酔った勢いでやって来て、思いをさらけだして満足して....
今戸心中」より 著者:広津柳浪
「人のことばッかし言わないで、自分も気をつけるがいいじゃアないか。ちッたアそこで燗番でもするがいいんさ。小万さんの働いておいでなのが見えないのか。自分がいやなら....
別れの辞」より 著者:豊島与志雄
いたい人があるんだ。」 宮崎は突然叫びだして、ふらふらと立っていった。帳場でお燗番をしていたおけいのところに行って、身を投げだした。 「僕は逢いたい人があるん....
渡舟場」より 著者:豊島与志雄
加代子が酌をしてまわりました。女主人の芳江は、長火鉢のそばに肥った体を据えて、お燗番をしながら、人々の話を笑顔で聞いていました。 話はいろいろな事柄に亘り、政....
花ふぶき」より 著者:豊島与志雄
いるのだ。それから実は、千代はあまり客の前に出ないようになっている。奥の室で、お燗番をしたり、野菜をえり分けたり、下駄の鼻緒を拵えたり、ほどき物をしたりする。そ....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
役に立たない」と言ったが、幸いに周旋人の顔が利き、断りかねたものと見え、改めてお燗番のような詰らぬ仕事を受持たされることになった。わたしはそれから日がな一日|櫃....