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燥
「燥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
かった。しかしそこにも儕輩《さいはい》の嫉妬や彼の利益を失うまいとする彼自身の焦
燥の念は絶えず彼を苦しめていた。ましてお芳を囲い出した後は、――彼は家庭のいざこ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
う返事をしました。
「これですか? これは驢馬《ろば》の脳髄ですよ。ええ、一度乾
燥させてから、ざっと粉末にしただけのものです。時価は一|噸《とん》二三銭ですがね....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
も》の下から、追い追い水の色が拡がって来た。それにつれて一行の心には、だんだん焦
燥の念が動き出した。殊に左近は出合いをあせって、ほとんど昼夜の嫌いなく、松山の内....
「或る女」より 著者:有島武郎
《じょうず》だったがこのごろできるか、できるならそれを見せてほしい、軍隊生活の乾
燥無味なのには堪《た》えられないからとしてあった。そしてあて名は愛子、貞世の二人....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
具体的な証拠は少しも上らないで夏がくれた。
秋の収穫時になるとまた雨が来た。乾
燥が出来ないために、折角|実《みの》ったものまで腐る始末だった。小作はわやわやと....
「星座」より 著者:有島武郎
ならなかった。
「前略この手紙を園君に託してお届けいたし候《そうろう》連日の乾
燥のあまりにや健康思わしからず一昨日は続けて喀血《かっけつ》いたし候ようの始末に....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
てございますよ。お嬢様も近々御縁が極りますそうで、おめでとう存じます、えへへ、と
燥いだ。 余計な事を、と不興な顔をして、不愛想に分れたが、何も車屋へ捜りを入れ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
湿潤をもたらすような遊星が、湿潤な星座に会合するとその結果として永い雨が続く。乾
燥な遊星が暑い星座に集まれば甚だしい乾
燥期が来る。これは日常の経験からよく分るこ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
。 十四 「陰気だ陰気だ、此奴滅入って気が浮かん、こりゃ、汝等出て
燥げやい。」 三ツ目入道、懐手の袖を刎ねて、飽貝の杯を、大く弧を描いて楽屋を招....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
の時はしとしとと皮に潤湿を帯びていたのに、年数も経ったり、今は皺目がえみ割れて乾
燥いで、さながら乾物にして保存されたと思うまで、色合、恰好、そのままの大革鞄を、....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
なって少し唇の乾いたという容子で、へりを白くして、日向にほかほかしていて、草も乾
燥いで、足のうらが擽ってえ、といった陽気でいながら、槍、穂高、大天井、やけに焼ヶ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
上も、床の前も、机の際も、と見ると芳い草と花とで満されているのである。ある物は乾
燥紙の上に半ば乾き、ある物は圧板の下に露を吐き、あるいは台紙に、紫、紅、緑、樺、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
族は、良人をはじめとして殆んど全部城を枕に打死して了いました。その時分の不安、焦
燥、無念、痛心……今でこそすっかり精神の平静を取り戻し、別にくやしいとも、悲しい....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
変な騒ぎです。おかみさんはきいきい言って、火箸でぶとうとするし、子供達もわいわい
燥いで、捕えようとするはずみにお互いにぶつかって転んだりしてしまいました。けれど....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
に実験して、それでは結果が出なくてもなる。 またファラデーの伝記は決して無味乾
燥ではない。電磁気廻転を発見して、踊り喜び、義弟をつれて曲馬見物に行き、入口の所....