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燭光
「燭光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燭光の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
んで居る床が何の様に為って居るか少しも心附かなんだが、俯向いて居る所へ何千何百万
燭光とも譬え様のない強い光が閃き込んだので、床の有様が歴々と見えた、即ち角な木を....
「食魔」より 著者:岡本かの子
も物音立てぬよう軟い絨氈や毛織物で用意された。色も刺激を抜いてある。天井や卓上の
燭光も調節してある。総ては食味に集中すべく心が配られてある。給仕人はイゴとか男性....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
勢を緩めながら賑やかで平らな道筋を滑って行く。窓硝子から間近い両側の商店街の強い
燭光を射込まれるので、車室の中の灯りは急にねぼけて見える。その白濁した光線の中を....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
ければならない、番になった。 こいつは、引き合わん、陰気くさい役目だ。 十六
燭光を取りつけた一個の電燈は、煤と蝿の糞で、笠も球も黒く汚れた。 いつの間にか....
「かすかな声」より 著者:太宰治
議論とは、往々にして妥協したい情熱である。 「自信とは何ですか。」 「将来の
燭光を見た時の心の姿です。」 「現在の?」 「それは使いものになりません。ばかで....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
を立って、まわりの黒いカーテンを引いて完全暗室にした。 そのとき室内に一つ十|
燭光《しょっこう》の電灯がついた。これは会長がつけたのだ。 「それでは、例により....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
ための弾力のある帽子をしっかりかぶり、手にはするどい鉤のついた小さい手斧と、強い
燭光の手提灯をもち、腰には長い綱をさげていた。そのほかに、携帯用の強力な穴ほり道....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
提灯がぶら下っていて、その横のガラス箱の中に古びたお多福人形がにこにこしながら十
燭光の裸の電灯の下でじっと坐っているのである。暖簾をくぐって、碁盤の目の畳に腰掛....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
橋に一軒という稀なものであったが、それが瓦斯燈に変り、電燈に移って今日では五十|
燭光でもまだ暗いというような時代になって、ランプさえもよほどの山間僻地でも全く見....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
夜店の灯です。あのアセチリン瓦斯の匂いと青い灯。プロマイド屋の飾窓に反射する六十
燭光の眩い灯。易者の屋台の上にちょぼんと置かれている提灯の灯。それから橋のたもと....
「朝やけ」より 著者:豊島与志雄
、眼が覚めるとおれは、もう諦めて、布団の中でぱっちり眼を開いていた。雪洞の中の二
燭光が、いやに明るい。いけないのは、女がいっしょに寝ていたことだ。女……と、そう....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
ブルがロンドンシーメンス会社で参観人へ広告に呉れる小唄を軋り出している。「明るい
燭光の電球をつけましょう。そして、顔を――」どうしてこんな盤が日本へ入って来てい....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
出来るなんて、仕合せな破門じゃないの」 「そうでもない。やっぱり、東京の演奏会の
燭光はなつかしいものだ」 千歳の胸に、かつて、邦楽革新の新進作曲家として華やか....
「火を点ず」より 著者:小川未明
刻をも争うその日かせぎの人々は、子供を使いにやるのでした。 この夜、幾百|万の
燭光を消費する都会の明るい夜の光景などは、この土地に住む人々のほとんどその話を聞....