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燻す
「燻す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燻すの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船」より 著者:島崎藤村
燻し話した。白い繊細《きゃしゃ》な薬指のところに指輪を嵌《は》めた手で、巻煙草を
燻すお新の手付を眺めると、女の巻煙草は生意気に見えていけない、そうは山本さんは思....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
ると、一方の畦の上には菅笠、下駄、弁当の包らしい物なぞが置いてあって、そこで男の
燻す煙草の煙が日の光に青く見えた。 「さいなら、それじゃお静かに」 と一方の釜....
「家」より 著者:島崎藤村
って下さい」 「では、僕も巻煙草を頼もう」と三吉が言った。 「三吉はえらく煙草を
燻すように成ったナ」と森彦はすこし顔をシカめた。この兄は煙草も酒もやらなかった。....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
れた生贄を、急いで用意させておいで。
闇の女
鉢に五徳に鋭い鉞、洗う水も
燻す火も、何もかも
御殿に用意してあります。何を生贄になさいます。
ヘレ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
衣の裾をくくり上げて、手に松明を持った公卿屋敷の奉公人らしい男が立って武蔵の顔を
燻すように、松明の火を突き出した。
公卿侍の顔は、自分の持ち歩いている松....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
あるのである。初期にはどうであったか知らぬが、少なくとも今日の西洋人はただ口中を
燻すばかりで、鼻の穴からもめったに煙を出さない。これに反して我々はよほどわるい煙....