燻製[語句情報] »
燻製
「燻製〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
燻製の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
た酒壜は殖えていった。ホーテンスはこの土地の名産であるところの一種の鱒《ます》の
燻製《くんせい》をたいへんに褒めて食べた。 すっかりいい気持ちになったところで....
「親子」より 著者:有島武郎
さして集まって来るのもそのためだったのだ。 事務所に薄ぼんやりと灯が点された。
燻製の魚のような香いと、燃えさしの薪の煙とが、寺の庫裡のようにがらんと黝ずんだ広....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
が集っていた。そのほとんど皆が、壁にもたれて立っていた。みんなやせていた。そして
燻製《くんせい》の鮭《さけ》のように褐色《かっしょく》がかっていた。 既に下り....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
うです」 検事は引続き軽く肯きながら、小卓子の上を見まもった。盛合わせ皿には、
燻製の鮭、パン片に塗りつけたキャビア、鮒の串焼、黄いろい生雲丹、ラドッシュ。それ....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
を、機械台のうえに下した。博士は、鼻をくんくんいわせながら、傍へよってきた。 「
燻製じゃな。いくら
燻製にしても、羊特有の、あの動物園みたいな悪臭は消えるものか」....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
ていた。 博士は、ナプキンを胸にさし込みながら、食事の催促をした。 給仕が、
燻製の鮭を、金の盆にのせて持ってきた。 「おや、わしの好きな
燻製が朝から出て来る....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
は瓶詰のビスケットと、瓶詰のアスパラガスとで朝飯をとりながら、ふと博士の大好きな
燻製もののことを思い出した。 「やあ、鮭の
燻製でもいいから、ありつきたいものじゃ....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
うなど毛頭思っとらん」 「では何を……。あ、そうそう、カムチャッカでやっとります
燻製の鰊に
燻製の鮭は、いかがさまで……」 「それだ。初めから、そういう匂いがして....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
ちょっとお待ち下さい。この件を御承諾下さいますならば、シカゴの大屠殺場に、新に大
燻製工場をつけて、博士にプレゼントするとも申されて居りますぞ」 「あほらしい。シ....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
ない舌で、ベラントとルス嬢の屋台に呼びかけた。 「お好みの料理を作りますぜ。殊に
燻製料理にかけては、世界一でさあ」 ベラントはぬかりなく宣伝にかかる。 「世界....
「巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
の散歩人は入れ代り立ち代り少憩をとる。 「飴を塗った胡桃の串刺しはいかが?」 「
燻製鮭のサンドウイッチ、キァビヤ。――それから焙玉子にアンチョビの……。」 少....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
だから、もしそこに石炉や自在鉤や紡車が置かれてあったり、煤けた天井に、腹を開いた
燻製の魚などが吊されているとすれば、誰あろうがこの家を、信心深い北海の漁家とみる....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
。それから、林檎のパイがある。桃のパイがある。南瓜のパイがある。さらに、ハムも、
燻製の牛肉もある。そのうえ、砂糖づけの李、桃、梨、まるめろの実が、見ごとにいく皿....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
感傷とは、この頃の集には入れられないのだ。正面から歌えもしない。昨今の私の詩歌は
燻製の鰊だ。
燻製の鰊と桐の花と一緒にされるものか。ほんのかりそめの煩悩であるが今....
「小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
過ぎし日の体験を想い起こして、食指の動くことしきりである。 さけの丸干しは一見
燻製に似たものであるが、風味に至っては、だんぜんたる相違がある。越後の人は地川と....