爛酔[語句情報] » 爛酔

「爛酔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

爛酔の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
事を思うと、自然求馬の心は勇まなかった。彼はその日彼女を相手に、いつもに似合わず爛酔《らんすい》した。そうして宿へ帰って来ると、すぐに夥《おびただ》しく血を吐い....
こころ」より 著者:夏目漱石
んぱく》な方便はしばらくするうちに私をなお厭世的《えんせいてき》にしました。私は爛酔《らんすい》の真最中《まっさいちゅう》にふと自分の位置に気が付くのです。自分....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さき》のあの九死一生の場面と、染井の化物屋敷でどろどろにもつれ合ったあの重苦しい爛酔、瞑眩《めいげん》、悩乱、初恋は魂と魂とが萌《も》え出づるものだそうだけれど....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いよ、女を連れて来ないか、女が欲しい」 こう言って、夢中でうめいている。果して爛酔《らんすい》の客が戸惑いして、のたり込んでいたな、厄介者だが、処分をしてやら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なしにその梯子段を引き上げられて行くのであります。 引き上げられて行くうちに、爛酔《らんすい》した神尾主膳が、その酔眼をじっと据えて自分の面《かお》を見下ろし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
にかぶりつきました。 やがて癇癪が納まって陶然《とうぜん》――陶然からようやく爛酔《らんすい》の境に入って、そこを一歩踏み出した時がそろそろあぶない。 「誰だ....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
かいさましい議論の風発せるあいだに、わが輩は退席せんとして玄関に出た。某政治家も爛酔《らんすい》して前後もわきまえず女中の助けをかりて蹣跚《まんさん》として玄関....
夏の町」より 著者:永井荷風
に汚る 月明今夜消魂客。 月明るく 今夜 消魂《しょうこん》の客 昨日紅楼爛酔人。 昨日《さくじつ》は紅楼に爛酔《らんすい》するの人 年来多病感前因....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て居ますが、僧侶の少し学識ある者がこのネーチュンに対して、彼は気狂いである、彼は爛酔漢である、国家を害する腐敗の動機であるとこういって、いつも蔭では悪口ではない....
五重塔」より 著者:幸田露伴
に十分酔ったれど遠慮に三分の真面目をとどめて殊勝らしく坐り込み、親方の不在にこう爛酔では済みませぬ、姉御と対酌では夕暮を躍るようになってもなりませんからな、アハ....