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爪印
「爪印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
爪印の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
の下刻に引き取った。 二十三日には筒井から四度目の呼出が来た。口書清書に実印、
爪印をさせられた。 二十八日には筒井から五度目の呼出が来た。用番老中水野越前守....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
とよはもう父の心のままになる、決して我意をいわない、と父の書いた書付へ、おとよは
爪印を押して、再び酒の飲み直しとなった。俄かに家内の様子が変る、祭りと正月が一度....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
言えば斬ると仰しゃいました、へえ、何うかまア種々そのお書物の中へ、私にその、血で
爪印をしろと仰しゃいましたから、少し爪の先を切りました」 秋「左様か、云っては悪....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
結って、またまた呼び出された上で最後の御免の言葉を受けた。読み聞かせられた書付は
爪印を押して引き下がった。その時、降蔵同様に追放になったものは七十六人あったとい....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
掛らないまま芝居へ行っちゃったんですからね」 「当り前だあ。その時にはモウ犯人の
爪印が済んでいたかも知れん」 「ヘエ。それじゃあ……」 と文月巡査が妙な顔にな....
「解説(『風知草』)」より 著者:宮本百合子
た。さし入れ通知の紙に、ふうち草鉢植一とかかれていてわたしはその下に、赤いにくで
爪印をおしたのだった。そういういきさつから、作者のこころもちは「ふうちそう」とし....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
しく書付が堅ましく出来ました処へ有合わした三文判を押して、おりゅうの名前の下には
爪印を捺し、これを懐に入れて橋本幸三郎より五十両の金を取り、松五郎を越後の浅貝の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いちもうだじん》に引上げられ、厳重なお取調べを受けた上に、人相書まで取られたり、
爪印を強《し》いられたり、お陣屋へお留置《とめおき》を食った上に、ようやくのこと....
「フランドン農学校の豚」より 著者:宮沢賢治
、一向死ぬことも要《い》らないよ。ここの処へただちょっとお前の前肢《まえあし》の
爪印《つめいん》を、一つ押しておいて貰いたい。それだけのことだ。」 豚は眉《ま....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
した。それと同時に此方は文治の身の上、石川土佐守殿は再応文治をお取調べの上、口証
爪印も相済みまして、いよ/\切腹を仰せ渡されました。併し其の申渡し書には御老中お....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
かってるじゃねえか、顎化《あごばけ》と一騎打ちに行くのだ。……口書《くちがき》も
爪印《つめいん》もあるものか、どうせ、拷問《いた》めつけて突き落したのにちげえね....