爪楊枝[語句情報] » 爪楊枝

「爪楊枝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

爪楊枝の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
チャンス」より 著者:太宰治
えても、猛然とそれを頬張る蛮勇は無いのである。私は仕方なく銀杏《ぎんなん》の実を爪楊枝《つまようじ》でつついて食べたりしていた。しかし、どうしても、あきらめ切れ....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
木文字章三は、姓も変っているが、それ以上に風変りな男であった。彼は年中、 「俺は爪楊枝けずりの職人の息子だ」 と、昂然と言っていた。 卑賤に生れたが、それを....
世相」より 著者:織田作之助
天文館のプラネタリュウム見物を誘われた。彼女は私より二つ下の二十七歳、路地長屋の爪楊枝の職人の二階を借りた六畳一間ぐらしの貧乏な育ち方をして来たが、十三の歳母親....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
んは、ちらと越後の顔色をうかがった。 「直しておやり。」越後も食事がすんだらしく爪楊枝を使いながら、にやにや笑って言った。どうも、けさは機嫌がよすぎて、かえって....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
遅かった。最前からの疲れと、アルコールの利き目とが一緒にあらわれたものであろう。爪楊枝を使う間もなく崩れ落ちるように睡くなった。全身の筋肉が綿のようにほごれて、....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
でみますと、カケガネはかかっていますが、釘がさしこんでないようですから、隙間から爪楊枝をさしこんで鐶をもちあげると、なんなく外れました。中へはいってみると、もう....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
うほどにはしていなかったが。彼女の編物がその前にあったが、彼女はそれを下に置いて爪楊枝で歯をほじくっていた。左の手で右の肱を支えながら、そうして歯をほじくってい....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
ろう? え、客は?」 「言葉が悪いね、気をお付けよ。彼奴だろうは酷かろう」紫錦は爪楊枝を噛みしめた。 「いつお前お姫様になったえ」源太夫も皮肉に出た。 「たった....
剣侠」より 著者:国枝史郎
こういう問答をしているうちにも、今は血刀を拭い終えて、陣十郎の横手に佇んで、爪楊枝を噛みながら、二人の問答を上の空のように、平然と聞き流している、女の姿を観....
神楽坂」より 著者:矢田津世子
一緒に信玄袋へおしこんで土産に持って帰るのを慣しとしている。普段もこんな調子で、爪楊枝一本無駄にはしない。使い古してささくれたのは削ってまた共衿の縫目へ差してお....
旅役者の妻より」より 著者:矢田津世子
うですが、金貸しをして居り、何せ評判の倹約家で、ものにすたりはないと言い、一本の爪楊枝も無駄にはせずささくれたら又削って楊枝入れへさしておく、といった調子、便所....