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爪紅
「爪紅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
爪紅の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「厭ねえ、恩に被せて。誰も頼みはしないんだわ。」 「恩に被せるんじゃありません。
爪紅と云って、貴娘、紅をさしたような美い手の先を台なしになさるから、だから云うん....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
二人ともその額の中央に紅の斑点《はんてん》を印していた。同じ紅色でも前記の素足の
爪紅《つまべに》に比べるとこのほうは美しく典雅に見られた。近年日本の紅がインドへ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
、私はそっと自分の背を幹にもたせかけた。 枝という枝は、それぞれ浅緑の若葉と、
爪紅をさした花のつぼみとを持って、また蘇って来た春の情熱に身悶えしている。冬中眠....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
蚕上簇れば二人着る。 と唱い終ると、また他の一人が声張り上げて、 桑を摘め摘め、
爪紅さした 花洛女郎衆も、桑を摘め。 と唱ったが、その声は実に前の声にも増して清....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
。――紅茸です。」 といって、顔をかくして、倒れた。顔はかくれて、両手は十ウの
爪紅は、世に散る卍の白い痙攣を起した、お雪は乳首を噛切ったのである。 一昨年の....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
疎いを思遣って、御自分に御精魂な、須弥磐石のたとえに申す、芥子粒ほどな黒い字を、
爪紅の先にお拾い下され、その清らかな目にお読みなさって……その……解りました時の....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
雨は、カラッと霽《は》れた。
往来の水たまりに、星がうつっている。いつもなら、
爪紅《つまべに》さした品川女郎衆の、素あしなまめかしいよい闇だけれど。
今宵は....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、そう、そう。」 と独りで狼狽えて独で落着く。 お夏は後生大事に、置いた処を
爪紅の尖で圧えながら、 「ちらちらするね、きっと飲んでおいでだよ。」 「おっと、....
「巨椋池の蓮」より 著者:和辻哲郎
。 最初われわれの前に蓮の花の世界が開けたとき、われわれを取り巻いていたのは、
爪紅の蓮の花であった。花びらのとがった先だけが紅色に薄くぼかされていて、あとの大....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
の世界に歩を進めたようだ。 島田髷の時代には売物にならなかった御面相が、口紅、
爪紅、ハイヒールで堂々と寿司通仲間に侵入し、羽振りを利かす時代になってしまった。....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
生というのが、調理するのに腕時計・指輪をはめたまま、ひどいのになると、ご丁寧にも
爪紅までしている。こんなのを見ると、食欲減退である。それに料理研究家が揃いも揃っ....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
思われる。この風習を元にした鳳仙花の地方名は二種あって、その一つはツマベニ、即ち
爪紅である。土佐の西半分にはこれが多く、土地によって少しずつ変化してツマベリ・ツ....