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「父兄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

父兄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
競馬」より 著者:織田作之助
と、やはり寺田は蒼くなった。交潤社の客で一代に通っていた中島|某《ぼう》はA中の父兄会の役員だったのだ。寺田は素行不良の理由で免職になったことをまるで前科者にな....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
、喋っていることの意味がちっとも分らなかった。G教授の訓話が終った途端、うしろの父兄席にいた一人の紳士がいきなり立ち上って、「あなた今何を喋られたのですか。お言....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
(それが今日の問題であろうと、我々自身の時代たる明日の問題であろうと)、まったく父兄の手に一任しているのである。これ我々自身の希望、もしくは便宜《べんぎ》による....
婦系図」より 著者:泉鏡花
として、自分で云って、意気|頗る昂然たりで、 「講堂で良妻賢母を拵えて、ちゃんと父兄に渡す方が、双方の利益だもの。教頭だって、そこは考えているよ。」 「で何かね....
朱日記」より 著者:泉鏡花
と直ぐに生徒を帰したい。が、何でもない事のようで、これがまた一大事だ。いやしくも父兄が信頼して、子弟の教育を委ねる学校の分として、婦、小児や、茱萸ぐらいの事で、....
自叙伝」より 著者:大杉栄
お前はちっとも学校へ行かんで騒いでいるそうだが……」 父の話は、組合から生徒の父兄に送って来たものによって、多少校長を批難して、明日からでも学校へ出ろというよ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
メント一つだという気がします」 かの女はこれを旅先の知友が、滞在地で世話をする父兄に向って云うお世辞ともお礼心とも思わなかった。事実かの女は、近年美術季節毎に....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
中でも所謂いたずらッ児というものになると、どうにもこうにも手に負えないのがある。父兄が叱ろうが、教師が説諭しようが、なんの利き目もないという持て余し者がずいぶん....
少年探偵長」より 著者:海野十三
ろだと、伯母さんは眉をよせていった。 それから大さわぎとなった。同級生や、その父兄が召集された。その数が二十名あまりとなった。 一同は提灯や懐中電灯を持ち、....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
日以前既に一度聯隊に入営せしが、その月その日の翌日は、旅団戦地に発するとて、親戚父兄の心を察し、一日の出営を許されたるにぞ、渠は父母無き孤児の、他に繋累とてはあ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
のを、先生がわざわざ母親の留守に迎に来て連れて行って、そのために先生は他の生徒の父兄等に信用を失って、席札は櫛の歯の折れるように透いて無くなったが、あえて意にも....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
妹が果たしてヒステリー患者であるとすれば、それを救う方法が無いではない。曽田屋の父兄らに注意をあたえて、適当の治療法を講ずればよい。だが困るのは、その問題が問題....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
、泣き薬、未だ色々の秘薬の製法は、一通り心得おる。おぬしが高田の松平家に対して、父兄の仇を報じるという、それには少からず誠意を寄せる拙老じゃ。印籠集めの熱心さに....
四十年前」より 著者:内田魯庵
の会合には必ず女学生が出席して、才色あるものが女王の位置を占めていた。が、子女の父兄は教師も学校も許す以上はこれを制裁する術がなく、呆然として学校の為すままに任....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
安、社会固定の最も有力な原因は自由主義教育のためである。教育は子弟の能力によらず父兄の財力に応じて行なわれる。その教育は実生活と遊離して空論の人を造り、その人は....