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父権
「父権〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
父権の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
年に家庭に帰れと強要しつつあるのである。家族主義の名の下に家庭主義が強制される。
父権は却って拡張される(例えば民法改正に於ける自由結婚の否定)。母親だって息子よ....
「現代の主題」より 著者:宮本百合子
夢」が今の日本で上演される価値は、主人公たる二組の恋人たちが、アテネ市の封建的な
父権に抗して郊外の森へ逃げ、貴族的な支配者の権力を妥協させて、めでたく結婚すると....
「新しい船出」より 著者:宮本百合子
でありながら、そういう観念の発生の歴史をさかのぼって見れば、現代でいう家庭の形が
父権とともに形成せられはじめたそもそもから、女ののびのびとした自然性の発露はある....
「日本の秋色」より 著者:宮本百合子
今日の感情の特質は、「夢見る唇」で、ベルクナアが示したような表面の技法で、内実は
父権制のもとにある家庭の娘、戸主万能制のもとにある妻、母の、つながれた女の昔なが....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
いうものはいつか変化して来た。太古のあどけない平等は失われ、財産の主人である男の
父権が確立して女子はそれに従属するものとなりはじめた。奴隷としてつれて来られた他....
「人間の結婚」より 著者:宮本百合子
系制度が確立してきた。最近までの日本のように強い封建性の影響の残っている国では、
父権は悲劇的な威力をふるって一家を支配した。
父権につれて尊重され始めた家系という....
「私の貞操観」より 著者:与謝野晶子
ずるに到った。これと同時に戦士として時代の優者である男子が女に代って家長となり、
父権が母権に代って子女を支配するに到ったのは自然の勢である。
父権が重んぜられ....
「婦人も参政権を要求す」より 著者:与謝野晶子
主義化というのは、夫婦の愛情の平等、夫婦の経済的労働の平等、夫婦の財産権の平等、
父権と母権の平等、親と子との権利の平等、兄弟姉妹の権利の平等の如きをいい、政治上....
「先駆的な古典として」より 著者:宮本百合子
。同時に、今日の世界に生きている読書人にとっては、例えばギリシア人の間で母権から
父権への推移が生じた原因を、バッハオーフェンの説明したように、宗教的観念の発達し....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
た。未亡人はゆすられているらしい。咲子は一也の話で、謎が氷解した思いであった。亡
父権六の癩病、発狂、自殺、という事実を知っているのは花田だけなのだ。そして彼が、....