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父母
「父母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
父母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
時、制帽をかぶった能勢の写真の前で悼辞《とうじ》を読んだのは、自分である。「君、
父母に孝に、」――自分はその悼辞の中に、こう云う句を入れた。
(大正五年三月)....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
の記」はその黄ばんだ罫紙《けいし》の一枚にこう言う一節を残している。――
「予は
父母を愛する能《あた》はず。否、愛する能はざるに非《あら》ず。
父母その人は愛すれ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
。こう云う生活欲に駆《か》られていた彼は勿論原稿料の前借《ぜんしゃく》をしたり、
父母兄弟に世話を焼かせたりした。それでもまだ金の足《た》りない時には赤い色硝子《....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
国《ひぜんのくに》彼杵郡《そのきごおり》浦上村《うらかみむら》の産であった。早く
父母に別れたので、幼少の時から、土地の乙名三郎治《おとなさぶろうじ》と云うものの....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
しかし銭塘の瞿祐は勿論、幸福に満ちた王生夫婦も、舟が渭塘を離れた時、少女の
父母が交換した、下《しも》のような会話を知らなかった。
父母は二人とも目《ま》かげ....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
罹《かか》りました。稲見の母親はお栄《えい》と云って、二三年|前《ぜん》の疫病に
父母共世を去って以来、この茂作と姉弟二人、もう七十を越した祖母の手に育てられて来....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
やはり浦上の山里村《やまざとむら》に、おぎんと云う童女が住んでいた。おぎんの
父母《ちちはは》は大阪《おおさか》から、はるばる長崎へ流浪《るろう》して来た。が....
「死後」より 著者:芥川竜之介
の随筆である。しかし面白い話は勿論、珍らしい話も滅多《めった》にない。僕は君臣、
父母、夫婦と五倫部の話を読んでいるうちにそろそろ睡気《ねむけ》を感じ出した。それ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
に下男をも兼ねる少年は都合の好い息子に違いない。のみならず後年声誉を博し、大いに
父母の名を顕《あら》わしたりするのは好都合の上にも好都合である。しかし十五歳に足....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
う》した。が、生憎《あいにく》その勧誘は一度も効を奏さなかった。それは僕が養家の
父母を、――殊に伯母を愛していたからだった。
僕の父は又短気だったから、度々誰....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
たのは遅くもその年の春だったであろう。 二 位牌 僕の家の仏壇には祖
父母の位牌や叔父の位牌の前に大きい位牌が一つあった。それは天保何年かに没した曾祖....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
ひそめて、暫く思案に暮れていましたが、やがて何か思いついたと見えて、 「この男の
父母は、畜生道に落ちている筈だから、早速ここへ引き立てて来い」と、一匹の鬼に言い....
「初雪」より 著者:秋田滋
ればならなかったので、彼女は巴里へ帰った。それから半歳ばかりと云うものは、死んだ
父母のことが忘れられず、ただ悲しみのうちに日がたった。 そうこうするうちに、う....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の感情を強く動かして、終に文学を以て世に立んという考えを固くさせたり。 懐しき
父母の許より手紙届きたり。それは西風|槭樹を揺がすの候にして、予はまずその郵書を....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
れ故郷の村の名も、何もかも忘れてしまっていた。けれども、幼い日に始終口にしていた
父母の呼び名だけは忘れなかったのである。 彼は崩れるようにそこへ膝をつくと、老....