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爽々
「爽々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
爽々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雷」より 著者:海野十三
から待合室とに当て、二階を夫妻の住居に選んだのだった。それは全く、何とも云えない
爽々しい気分であって、二人は夢のように悦び合った。これならば、門をくぐる患者も殖....
「二少女」より 著者:国木田独歩
室内を見廻した。そして何か思い当ることでも有るらしく今まで少し心配そうな顔が急に
爽々して満面の笑味を隠し得なかったか、ちょッとあらたまって、 「実は少々貴姉に聞....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
石をとりあげて、戞然《かつぜん》と音たてながら打ちこんで行くことは、まことに颯々
爽々《さつさつそうそう》として心気の澄み静まるもので、だから右門はちゅうちょなく....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
やらあ。こっちへかしなよ」 くすぐったそうに首をすぼめた伝六と肩を並べながら、
爽々颯々《そうそうさつさつ》と吹く朝風の中へ急ぎました。....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
の独立で木彫りを家業として始めたのはこの時からであります。されば、自然と私の心も
爽々しく、腕もまた、鳴るように思われたが、仏師の仕事は前申す通り全く疲弊している....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
てから外で立てた。井も近くなったので、水は日毎に新にした。青天井の下の風呂は全く
爽々して好い。「行水の捨て処なし虫の声」虫の音に囲まれて、月を見ながら悠々と風呂....
「脱出と回帰」より 著者:中井正一
、自分が対決するところの、光の中に回帰できないのである。 闘うこころの正しさ、
爽々《すがすが》しさを、毅然として支える清浄さを、悦楽と云うならば、娯楽の根底に....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
っかけて金剛寺の楼門《さんもん》を出た。微風が、お衣の袖にはらんで、一空さまは、
爽々《そうそう》と歩いて行った。一空さまが、通新石町《とおりしんこくちょう》から....
「魚の序文」より 著者:林芙美子
《さむらい》が出て来そうな、古風な土塀《どべい》をめぐらした大邸宅で、邸を囲んで
爽々《さつさつ》たる大樹が繁《しげ》っていた。ピアノの音が流れて来る。もうそれだ....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
をあげる態を想像すると、そこに居並ぶ誰を空想した時よりも好い気味な、腹の底からの
爽々《すがすが》しさに煽《あお》られた。それにつけて私はまた鏡の中で隣の御面師を....
「吊籠と月光と」より 著者:牧野信一
なって寝台から飛び降りた。僕の頭は梅雨期を過ぎて初夏の陽《ひ》が輝いたかのように
爽々《すがすが》しくなった。 僕は名状しがたい嬉《うれ》しさに雀躍《こおど》り....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
る師匠だ。何だか身体中の汚れたものがすっかり掃除されつくしてしまったあとのような
爽々しさを、小圓太はおぼえた。 つくづくいい師匠をとったとおもわないわけにはゆ....
「茶漬三略」より 著者:吉川英治
それで、風呂の中でした考え事は、すべて、附け終ったらしくある。猿殿は、さもさも、
爽々したように、奥へ急いで通られた。 道をちがえて、続々と引揚げて来た各部隊は....
「野槌の百」より 著者:吉川英治
ちまち、百の手から、その影へ移っていって、茨の棘みたいに、白く立った。 「ああ、
爽々した……」 百は、熱湯から上がったように、全身に汗をかいて、よろよろと草の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
胸のうちの悲しみや恨みやため息や、そんなもの思うさま吹き散らしてしもうたら、さぞ
爽々するでしょうと思って」 「それよ、気を散じるということは大切だ。笛の一尺四寸....