»
爾
「爾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
爾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
者ロミュルスに乳を与えたものは狼であると言う一節だった。彼は母の乳を知らぬことに
爾来《じらい》一層冷淡になった。いや、牛乳に育ったことは寧《むし》ろ彼の誇りにな....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
ある。
賢明なる君はその後《ご》のこともおのずから推察出来るであろう。ダアワは
爾来《じらい》貞淑《ていしゅく》に僕等四人を愛している。僕等も、――それは言わな....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
たように覚えている。しかしどう云う顔をしたか、それは目にもはいらなかったらしい。
爾来《じらい》七八年を閲《けみ》した今日《こんにち》、保吉の僅かに覚えているのは....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
上村《うらかみむら》へ帰って来た。そうして元の通り三郎治に召使われる事になった。
爾来《じらい》彼は朋輩の軽蔑も意としないで、ただまめまめしく仕えていた。殊に娘の....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
の煙管を造らせる事に、一決した。
六
斉広《なりひろ》は、
爾来《じらい》登城する毎に、銀の煙管《きせる》を持って行った。やはり、剣梅鉢《け....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
し合うとすれば、……保吉はふとお嬢さんの眉《まゆ》の美しかったことを思い出した。
爾来《じらい》七八年を経過した今日、その時の海の静かさだけは妙に鮮《あざや》かに....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
《にく》ませ給いけん、夫《それ》は一段、さらば人を把らせて見よと御意あり。清八は
爾来《じらい》やむを得ず、己《おの》が息子《むすこ》清太郎《せいたろう》の天額《....
「少年」より 著者:芥川竜之介
でも「考えて御覧なさい」を繰り返す愚《ぐ》だけは免《まぬか》れたであろう。保吉は
爾来《じらい》三十年間、いろいろの問題を考えて見た。しかし何もわからないことはあ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。疑うものは弁護士を見よ。
女人
健全なる理性は命令している。――「
爾《なんじ》、女人を近づくる勿《なか》れ。」
しかし健全なる本能は全然反対に命....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
きょう》七巻の中《うち》にも、あれほど難有《ありがた》い所は沢山あるまい。――『
爾時菩薩食糜《そのときぼさつびをしょくし》已訖従座而起《すでにおわりてざよりして....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
血《のういっけつ》を患《わずら》い、三日間|人事不省《じんじふせい》なりしより、
爾来《じらい》多少精神に異常を呈せるものならんと言う。また常子夫人の発見したる忍....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ら瑞典《スウエデン》へ行って、ついに踪跡《そうせき》がわからなくなってしまった。
爾来、今日まで彼の消息は、杳《よう》としてわからない。
「さまよえる猶太人」とは....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
どを好まなかった。こう云う事件は句にするよりも、小説にすれば好いのにとも思った。
爾来僕は久しい間、ずっと蛇笏を忘れていた。 その内に僕も作句をはじめた。すると....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
と云っても重大だね。」――善は実に彼にとっては、美よりも重大なものであった。彼の
爾後の作家生涯は、その善を探求すべき労作だったと称しても好い。この道徳的意識に根....