片傍[語句情報] » 片傍

「片傍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

片傍の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
んである。よくはわからない顔であった。一人の男は頬骨《ほおぼね》の一点と、小鼻の片傍《かたわき》だけが、灯《ひ》に映った。次の男は額と眉《まゆ》の半分に光が落ち....
笑う唖女」より 著者:夢野久作
、昔風の紫房の括枕《くくりまくら》を寝床の上に、金房の附いた朱塗の高枕を、枕元の片傍《かたそば》に置いてあった。 その枕元に近い如鱗《じょりん》の長火鉢の上に....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
が、この時さも弱り切ったように溜息《ためいき》をしまして、自分はあの多留美の湖の片傍《かたほと》りに住んでいる者だが、近い内に王様がお后を御迎え遊ばすという事を....
謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
。その謡い好きというのは拙者の祖母で、今年九十三歳になって中風の気味で郷里福岡の片傍りの伯父の家に寝ているのであるが、これをこの間久方振りに帰郷した時見舞いに行....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
に向って、行く事も出来ませんから、人知れず千島村という処へ参って、水無瀬の神社の片傍の隠家に身を潜め、翌年雪も解け二月の月末に越後地へ掛って来ます。芦屋より平湯....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
有ります、其の鎮守の正面に空家が有りましたからこれを借り、葮簀張の掛茶店を出し、片傍へ草履草鞋を吊して商い、村上松五郎は八木八名田辺へ参っては天下御禁制の賭博を....
雪柳」より 著者:泉鏡花
した。いかにとぼんとした馬なればといって、広い邸の門内の素真中には立っていない。片傍に、家来衆、めしつかわれるものの住むらしい小造りな別棟、格子づくりの家があっ....