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片思い
「片思い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片思いの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
一万五千円の学費つかって、学問して、そうして、おぼえたものは、ふたり、同じ烈しき
片思いのまま、やはりこのまま、わかれよ、という、味気ない礼儀、むざんの作法。ああ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、みな恥ずかしいおとめ心の――」 「恋からだというんですかい!」 「あい。それも
片思い――そうでござります! そうでござります! ほんとに、いうも恥ずかしいあの....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
何ぞお土産をお持ちなさいまし、先生はさっぱりしたものがお好きだ、と云うし、彼奴が
片思いになるように鮑がちょうど可い、と他愛もない。 馬鹿を云え、縁談の前へ立っ....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
心だけではどうすることもできないのだ。 五 それから後のおとよさんは
片思いの人ではなかった。隣同士だからなんといっても顔見合わせる機会が多い。お互い....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。」 伊之助に言わせると、それが半蔵だ。これらの歌にあらわれたものは、実は深い
片思いの一語に尽きる。そしてこれまで長く付き合って見た半蔵のしたこと、言ったこと....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
はお芽出度う」 「ところが一向お芽出度く無い事サ、所謂《いわゆる》鮑《あわび》の
片思いでネ。此方《こっち》はその『アイドル』の顔が視たいばかりで、気まりの悪いの....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
っと美しい崇い顔を持ってるに違いない。まだ見ぬ恋の楽しさを君は知るまい。私の恋が
片思いに終わるとは断言できまい。今に彼女は必ず私に靡くよ。白い雲の上で私を呼んで....
「源氏物語」より 著者:紫式部
たしようがないではございませんか。思いやりのない行動として御反感をお招きしても、
片思いの苦しさだけは聞いていただきたいと思います。それだけです。御冷淡な御様子は....
「千世子」より 著者:宮本百合子
って云うものは簡単な事で安心したり気をもんだりする事が出来るんだ。女は若し自分が
片思いにしても思って居る男が外の女と好きそうな様子をして、たった一度位にらみ合い....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
のような弥生の姿が、四六時中左膳の隻眼にちらつく――恋の丹下左膳。
隻腕の身の
片思い。
恋慕の糸のもつれは利刀《りとう》乾雲でも断ち切れなかった。
夢に提....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
息を喘ませて詰寄った。 何故と聞かれると返事に困るが、お葉も重太郎と同じように
片思いの恋が有る。重太郎の
片思いが哀れであると共に、お葉の
片思いも哀れであった。....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
りなくこの人を見て、お綱は初恋を知った。 片恋のまる一年――、今もまだその恋は
片思いかもしれないけれど――。 顧みると、涙のにじむ一年であった。 身をもや....
「三国志」より 著者:吉川英治
酬う義心一片。何で今さら、彼を捨てて、曹操に降ろうぞ」 「いやいや、それは将軍の
片思いというもの。馬超のほうでは、かえって、あなたを邪視しているのに、そんな節義....