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「片手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

片手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カルメン」より 著者:芥川竜之介
き》の露台《バルコニー》に佇《たたず》みながら、炭酸水《たんさんすい》のコップを片手に詩人のダンチェンコと話していた。あの亜麻色《あまいろ》の髪の毛をした盲目《....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》にしゃべりながら、見慣れぬ女菩薩《にょぼさつ》の画像《えすがた》を掲げた旗竿を片手につき立てて、佇《たたず》んでいるのでございました。年の頃はかれこれ三十にも....
十円札」より 著者:芥川竜之介
ていた。英吉利《イギリス》語を教える報酬《ほうしゅう》は僅かに月額六十円である。片手間《かたてま》に書いている小説は「中央公論《ちゅうおうこうろん》」に載った時....
河童」より 著者:芥川竜之介
はじめてだったのです。僕の後ろにある岩の上には画《え》にあるとおりの河童が一匹、片手は白樺《しらかば》の幹を抱《かか》え、片手は目の上にかざしたなり、珍しそうに....
」より 著者:芥川竜之介
僕は彼の言葉の通り、弘法麦《こうぼうむぎ》の枯《か》れ枯《が》れになった砂の中へ片手を差しこんで見た。するとそこには太陽の熱がまだかすかに残っていた。 「うん、....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
…その右にあるのは日清汽船会社。」 僕は葉巻を銜《くわ》えたまま、舟ばたの外へ片手を下ろし、時々僕の指先に当る湘江《しょうこう》の水勢を楽しんでいた。譚の言葉....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
だ十四五歳の店員が一人、自転車に乗って走って来た。それが洋一の姿を見ると、電柱に片手をかけながら、器用に彼の側へ自転車を止めた。そうしてペダルに足をかけたまま、....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
、怪訝《けげん》な顔をしながら、こっちを見た。が、老紳士は容易に、笑いやまない。片手に鼻眼鏡が落ちそうになるのをおさえながら、片手に火のついたパイプを持って、咽....
仙人」より 著者:芥川竜之介
を李と反対の方に向けて、雨にたたかれている廟外の枯柳《こりゅう》をながめながら、片手で、しきりに髪を掻いている。顔は見えないが、どうやら李の心もちを見透かして、....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
《とたん》に、彼女は品《ひん》良《よ》く身を起すと、一ぱいになった水甕を重そうに片手に下げたまま、ちらりと彼の顔へ眼をやった、そうしていつになく、人懐しげに口元....
捨児」より 著者:芥川竜之介
《のち》になっても、和尚贔屓《おしょうびいき》の門番が、樒《しきみ》や線香を売る片手間《かたでま》に、よく参詣人へ話しました。御承知かも知れませんが、日錚和尚《....
将軍」より 著者:芥川竜之介
伏。怨敵《おんてき》退散《たいさん》。第×聯隊万歳! 万歳! 万々歳!」 彼は片手に銃を振り振り、彼の目の前に闇を破った、手擲弾の爆発にも頓着《とんちゃく》せ....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
司たちへの忠義ぶりが見せとうござったによって、」クリストの足を止めたのを見ると、片手に子供を抱《いだ》きながら、片手に「人の子」の肩を捕えて、ことさらに荒々しく....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
「嘘をつけ。今その窓から外を見ていたのは、確に御嬢さんの妙子さんだ」 遠藤は片手にピストルを握ったまま、片手に次の間の戸口を指さしました。 「それでもまだ剛....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
いたが、どうしてもファラデーに俸給を受け取らせることが出来なかった。ファラデーは片手にサー・アローの手を、片手にチンダルの手を取って、全部をチンダルに譲ることに....