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片破れ
「片破れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片破れの前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
葉一つがさとも云わぬ。霜を含んだ夜気は池の水の様に凝って、上半部を蝕い欠いた様な
片破れ月が、裸になった雑木の梢に蒼白く光って居る。
立とまっては耳を傾け、答な....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
り厚さ二寸ばかり、それを取り出して中より破って片破《かたわ》れを箱に入れ今一つの
片破れを男に与えて、これを一度に仕《つか》わず要に随うて片端より破って仕いたまわ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
あとは曠野。それに――本村を遠く離れた、時はずれの、人|棲まぬ田居ばかりである。
片破れ月が、上って来た。其が却て、あるいている道の辺の凄さを照し出した。其でも、....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
地の境内に立って、日比谷公園から宮城方面の暮れゆく夏の夜の黒い樹木の上には、折柄
片破れ月が澄みきった星空に光っている。右隣にそびゆる第一生命の白亜館が、浮き城の....