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「片端から〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

片端からの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
さんはそう言って、つづいて手にせる枝をば、あたかもそれが芋殻でもあるかのように、片端からいき※っては棄て、すっかり粉々にして了いました。 が、私としては天狗さ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
鋭利直截なる研究的良心を充たすに足りなくなったのであった。彼は自身霊媒たる前に、片端から知名の霊媒の実験に臨んだ。即ち一八七二年、ロッテイ・ファウラアの実験を行....
或る女」より 著者:有島武郎
々から片づけかけていた衣類の始末をし始めた。模様や縞《しま》の派手《はで》なのは片端からほどいて丸めて、次の妹の愛子にやるようにと片すみに重ねたが、その中には十....
或る女」より 著者:有島武郎
うに、顔を洗うといきなり膳《ぜん》の前にあぐらをかいて、葉子が作って出したものを片端からむしゃむしゃときれいに片づけて行った。これが木部だったら、出す物の一つ一....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
せたり、枕を二つならべたり、だったけれど、京千代と来たら、玉乗りに凝ってるから、片端から、姉様も殿様も、紅い糸や、太白で、ちょっとかがって、大小|護謨毬にのッけ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
に足痕を留めた以来、とかく人出入騒々しく、かたがた妨げに相成るから、われら承って片端から追払うが、弱ったのはこの少年じゃ。 顔容に似ぬその志の堅固さよ。ただお....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
かまと申して私などは、ものの数でもないのですが、立派な、画の画伯方の名を呼んで、片端から、奴がと苦り、あれめ、と蔑み、小僧、と呵々と笑います。 私は五六尺|飛....
南地心中」より 著者:泉鏡花
人を褥の上に据えて、お珊がやがて、一人を、そのあとから閨へ送ると、前のが、屏風の片端から、烏帽子のなりで、するりと抜ける。 下髪であとを追って、手を取って、枕....
露肆」より 著者:泉鏡花
、パッパッと石鹸玉が消えるように、上手にでんぐり、くるりと落ちる。 落ちると、片端から一ツ一ツ、順々にまた並べて、初手からフッと吹いて、カタリといわせる。……....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
もない。白い手を挙げ、衝とさして、麓の里を教うるや否や、牛は雷のごとく舞下って、片端から村を焼いた。……麓にぱっと塵のような赤い焔が立つのを見て、笑を含んで、白....
頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
いよいよせっぱ詰った時、わたしは手に一本のステッキを持って出掛け、そういう奴等を片端から叩きのめした。で、彼等はようやく罵らなくなったが、まだ打ったことのない新....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
と水菓子だの餅菓子だのと三種も四種も山盛りに積んだのを列べて、お客はそっちのけで片端からムシャムシャと間断なしに頬張りながら話をした。殊に蜜柑と樽柿が好物で、見....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
力をかりて、取外されたり、また取付けられた。 共楽街は、大勢の水兵の手により、片端からうち壊され、小屋といわず、道具といわず、映写機のような高価なものまで惜し....
火星探険」より 著者:海野十三
うんと呻《うな》ってすごい速力で飛び交う塵塊があった。それは艇内の大切なる器物を片端からうちこわしていった。 乗組員たちは唯も自分の仕事の場所を守ることができ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
。 パタリパタリと、群衆は、障子を倒すように、折重なって倒れていった。 街の片端から、メラメラと火の手があがった。濛々と淡黄色を帯びた毒瓦斯が、霧のように渦....