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片肌脱ぎ
「片肌脱ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片肌脱ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
り籾を広げてしまった。 省作は手水鉢へ水を持ってきて、軒口の敷居に腰を掛けつつ
片肌脱ぎで、ごしごしごしごし鎌をとぐのである。省作は百姓の子でも、妙な趣味を持っ....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
のが、法医学者として名高いT大学医学部教授|片田博士である。職務とは言いながら、
片肌脱ぎたいくらいな暑さを我慢して滲み出る汗をハンカチに吸いとらせている姿を見た....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
えぞ!」
すると、一人の指導者格が、煮しめたような手拭を、すっとこ冠り、素肌の
片肌脱ぎ、棒|千切《ちぎ》れを、采配のように振り立てて、
「やい! みんな! う....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
髪童顔、長髯の神仙じみた老ドクトルが、グラグラ煮立った味噌汁と虎鰒の鉢を真中に、
片肌脱ぎか何かの差向いで、熱燗のコップを交換しているじゃないか。おまけに酌をして....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
や。 実に木やり唄は江戸趣味のこれも一つよ。祭りの巷に男姿の芸者数多、揃い衣の
片肌脱ぎになって、この唄につれ獅子頭曳くも趣は同じく、折柄の気勢いにはまたなしと....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
もこのおじが、かの恐しき事したりとは見えず。赤き顱巻向うざまにしめて、裾を括げ、
片肌脱ぎて、手にせる菓子の箱高く捧げたるがその銀六よ。 「人気だい、人気だい。や....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
勢を得て、非人どもが文治を突退けようと致しますると、國藏、森松の両人が向う鉢巻、
片肌脱ぎ、 両人「この乞食め、何を小癪なことを為やがる、ふざけた事をすると片ッ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
って仕様がねえ、炭を揚げてから婚礼を仕なせえ」 と云うから、多助は紋付の着物の
片肌脱ぎて臀を端折って、向う鉢巻を致しまして、せっせと炭を担ぎ始めました。そうす....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
防寒のためだが、食器を拭く雑巾の役もする。家にいるときや、右手を使いたいときは、
片肌脱ぎになって長い袖を腹巻のように帯の上に巻きつける。男はみな髪を剃り、外へ出....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
ゃあがれ!」と叫ぶ声がして、転ぶようにして誰かを追って走り来る博徒喜造。着ながし
片肌脱ぎ裾取り、左手に松明、右手に抜身を持っている。その抜身も鞘も腰に差していな....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
やあがれ!」と叫ぶ声がして、転ぶようにして誰かを追って走りくる博徒喜造。着ながし
片肌脱ぎ裾取り、左手に松明、右手に抜身を持っている。その抜身も鞘も腰に差していな....
「澪標」より 著者:外村繁
く弱者の姿でしかないと思われたからである。 ある日、座敷の隣室で、女中のいさが
片肌脱ぎになっている。やすも帯を解いている。春枝もそこへ入って来る。 「寒いこと....