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「片腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

片腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
お嬢さん、」と云うや否や、蝙蝠傘を投出すごとく、井の柱へ押倒して、勢猛に、上衣を片腕から脱ぎかけて、 「久しぶりで、私が洗って差上げましょう。」と、脱いだ上衣を....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
わけはなかった。僕達は不意に手を離してしまって床の上に※を出したり、筋をちがえた片腕を肩に釣って疼痛にボロボロ泪を流しながらも、奇怪なる舞踊をつづけたのだった。....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
を失ってしまい、野戦病院に退いて、ついに右腕を上膊から切断してしまったのである。片腕なくなったのでは、「火の玉」少尉は再び飛行機を操縦することができない。そこで....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
如意はどうだい。」 「如意がどうした。」 と竹如意を持直す。 「綱が切った鬼の片腕……待てよ、鬼にしては、可厭に蒼白い。――そいつは何だ、講釈師がよく饒舌る、....
露肆」より 著者:泉鏡花
が、誰が何を見違えたやら、突然しらべに来て、膃肭臍の中を捜すんですぞ、真白な女の片腕があると言うて。」…… 明治四十四(一九一一)年二月....
星女郎」より 著者:泉鏡花
裂けた大口を開いて、上から境を睨め着けたが、 「これは、」 と云う時、かっしと片腕、肱を曲げて、その蟹の甲羅を面形に剥いで取った。 四十余りの総髪で、筋骨|....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とにかなったときだけである。一同の歓声がしずまり、ふたたび静粛になったとき、彼は片腕を椅子の肘にもたせかけ、もう片腕を腰にあて、わずかではあるが、まことに偉そう....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
か弟子に感染してるのです。歩きつきばかりでなく、坐られた時肩の落ちた容子だとか、片腕組んで一方の煙草を持った手を口の辺に持って行かれる容子とか、そうした何でもな....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
中指、薬指が細々と、白く、蕋のように落ちていた。 この御慈愛なかりせば、一昨日片腕は折れたであろう。渠は胸に抱いて泣いたのである。 なお仏師から手紙が添って....
三枚続」より 著者:泉鏡花
があるから世の中を何とも思わんだろう、中々可い腕があるんだっていうじゃあないか。片腕ッていう処だが、紋床の役介者は親方の両腕だ、身に染みて遣りゃ余所行の天窓を頼....
式部小路」より 著者:泉鏡花
でもいうことか、莞爾して、 (さあ、お酌をして上げようね、) 愛吉は手術台で、片腕切落されたような心持で、硬くなって盃を出した。 お夏の手なる銚子こそおかし....
雪柳」より 著者:泉鏡花
た。目がさめると、雨は降っていたが気は晴々となった、と言います。三田の豪傑だと、片腕頂戴するところ、この武家の少年は、浅草で片手を氷にしようとした、いささかも武....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
丈夫というほどでなくとも、こういう人生の荒浪を潜り抜けて来た女でなくては男の真の片腕とするには足りない」と、何処の女であるか知らぬが近頃際会したという或る女の身....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
は活きた舞台に立つには余りに繊細|煩瑣に過ぎていた。北京に放浪して親友川島浪速の片腕となって亜細亜の経綸を策した時代は恐らく一生の中の得意の絶頂であったろうが、....
活人形」より 著者:泉鏡花
時は頭を掉り、「なに鬼や土蜘蛛なら、糸瓜とも思わねえ。「己もさ、狒々や巨蛇なら、片腕で退治て見せらあ。「我だって天狗の片翼を斬って落すくらいなら、朝飯前だ。「こ....