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片言
「片言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしの」より 著者:芥川竜之介
しこの女のここへ来たのは物好きだけではなさそうである。神父はわざと微笑しながら、
片言《かたこと》に近い日本語を使った。
「何か御用ですか?」
「はい、少々お願い....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を凝視めるのだった。 こうして、訊問は終了したが、鹿子はコスター聖書に関して、
片言さえも洩らさなかったし、一方法水も、鹿子の不在証明を追求しようともしなかった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ソンの家内を見せてくれたので、半七と松吉はめずらしそうに見てあるいた。ヘンリーは
片言《かたこと》ながらも日本語を話すので、半七は参考のためにいろいろの質問を提出....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に立ってゆく三人はしきりに小声で話していたが、やがてその声が高くなって、ロイドは
片言で云った。 「日本の人、嘘云うあります、わたくし堪忍しません」 「なにが嘘だ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
がりなさいます」と、お君のおきまり文句らしいのを聴くと、僕が西洋人なら僕の教えた
片言を試みるのだろうと思われて、何だか厭な、小癪な娘だという考えが浮んだ。僕はい....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ちも知っていると、彼は云うのである。実際、戦地では莨に不自由している。彼はさらに
片言の日本語で、こんな意味のことを云った。 「管理部の人、みな莨に困っています。....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
ちゃんのときは、何語を話していたのかね」 「それは広東語だ。もっとも、博士がまだ
片言もいえないときに、広東人の金氏が拾い上げて、博士を育てたんだからねえ、赤ちゃ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
彼は日本語でしゃべった。それは妙なひびきを持った日本語であった。しかし原住民の
片言の日本語よりは、ずっと調子がいい。緑色の怪物は、いつの間に日本語を勉強したの....
「火薬船」より 著者:海野十三
人だぞ!」 「ふふん、それほどでもないよ」 ハルクがはじめて口をきいた、しかも
片言ながら、とにかく広東語で……。そして二人は、しっかり握手をしてしまったのであ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
つとめる。要するに彼等は或る特殊の場合に、或る特殊の目的を以て現れたる、古経典の
片言隻語を以て、一般的真理なりと思考して居るから困るのである。 全く以て度し難....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
て行く途中で、小鉄はうしろからハンカチーフを振って運転手をよび止めた。そうして、
片言のマレー語で、もうここらでいいから降ろしてくれと言った。運転手は素直に車を停....
「お住の霊」より 著者:岡本綺堂
られませぬと思い入ったる気色に、兄も殆ど持余して、これには何か仔細があろう、妹の
片言ばかりでは証にならぬから、兎もかくも一応先方へ問合せた上、また分別もあろうと....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
を見ると、そこには頑丈な鎖輪が結びつけられてあるのです。 もちろん会話などは、
片言一つ語るのを許されません。 それから、診察を始めたのでしたが、それには、バ....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
うもおかしいことではないか。しかも、一たび神様となるや、その権威は絶対であって、
片言隻句ことごとく神聖視されて、敗戦後各分野で権威や神聖への疑義が提出されている....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
が文豪と称せられ、古典の仲間入りをして、文学の祭壇にまつりあげられ、この人たちの
片言隻句はまるで文学の神様のような権威を与えられて、大正昭和の文学を指導して来ま....