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片足
「片足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
片足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
らせながら、勢いよくそこへ曳《ひ》きこみました。しかも私が俥《くるま》の上へ靴の
片足を踏みかけたのと、向うの俥が桐油《とうゆ》を下して、中の一人が沓脱《くつぬ》....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
った賢造は、こちらへ後《うしろ》を向けたまま、もう入口に直した足駄《あしだ》へ、
片足下している所だった。
「旦那《だんな》。工場《こうば》から電話です。今日《き....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
網《てつじょうもう》の中を走って来た。彼は戦友の屍骸《しがい》を見ると、その胸に
片足かけるが早いか、突然大声に笑い出した。大声に、――実際その哄笑《こうしょう》....
「百合」より 著者:芥川竜之介
、なぜか涙がこみ上げて来た。そのとたんにまた金三は惣吉の母の手を振り離しながら、
片足ずつ躍るように桑の中を向うへ逃げて行った。
「日金山《ひがねやま》が曇った!....
「或る女」より 著者:有島武郎
た興録もさすがにどぎまぎして、はいろうにも出ようにも所在に窮して、閾《しきい》に
片足を踏み入れたまま当惑そうに立っていた。
「飛んだふうをしていまして御免くださ....
「或る女」より 著者:有島武郎
ははっと夢|心地《ごこち》からわれに返った。恐ろしい吹き降りになっていた。車夫が
片足で梶棒を踏まえて、風で車のよろめくのを防ぎながら、前幌《まえほろ》をはずしに....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
》えて真直《まっすぐ》に立ったままどっちにも倒れないのを勝《かち》にして見たり、
片足で立ちっこをして見たりして、三人は面白がって人魚のように跳《は》ね廻《まわ》....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
れ寄る泥の動揺は身の毛をよだてた。クララは何もかも忘れて三人を救うために泥の中に
片足を入れようとした。 その瞬間に彼女は真黄に照り輝く光の中に投げ出された。芝....
「聖書」より 著者:生田春月
瓶とを盆に載せて持って来た時、Kさんは安楽椅子にずっと反身になって、上靴をつけた
片足を膝の上に載せて、肱をもたげて半ば灰になった葉巻を支えながら、壁に掲げたロセ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
―能楽界の鶴なりしを、雲隠れつ、と惜まれた――恩地喜多八、饂飩屋の床几から、衝と
片足を土間に落して、 「雪叟が鼓を打つ! 鼓を打つ!」と身を揉んだ、胸を切めて、....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
……御免。) と云うと、抱倒して、 (ああれ。) と震えてもがくのを、しかと
片足に蹈据えて、仁王立にすっくと立った。 (用意は宜しい。……縫子さん。) (…....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
「お雑作でござりました。」 と斉しく前へ傾きながら、腰に手を据えて、てくてくと
片足ずつ、右を左へ、左を右へ、一ツずつ蹈んで五足六足。 「ああ、これな、これな。....
「しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
がたりなくなっていました。でも、この兵隊は、ほかの二本足の兵隊同様、しっかりと、
片足で立っていました。しかも、かわったお話がこの一本足の兵隊にあったのですよ。 ....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
むちが三本、そこからとびだしていました。で、ふたりのいるまえをよろよろするうち、
片足すべらしてころぶとたん、きゃあとたかい声をたてました。きのどくに、このおばあ....
「ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
どるわ。」と、火かきがいって、おどりだしました。ふしぎですね、あの火かきがうまく
片足でおどるじゃありませんか。すみっこの古椅子のきれがそれをみて、おなかをきって....