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「版図〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

版図の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:金史良
慾の生活を弄する点では、全く同じいだろう。 早朝起き上ると、尹さんは先ず自分の版図を検分し出すのだ。崩れかかった彼の小屋が、しょんぼり立つ低湿地の一帯は、書房....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
作家の文章と比較されたら、面白いと思う。 ナポレオンの腹の上では、今や田虫の版図は径六寸を越して拡《ひろが》っていた。その圭角をなくした円やかな地図の輪廓は....
死者の書」より 著者:折口信夫
物の中で、一番、姫君の心を饒やかにしたのは、此新訳の阿弥陀経一巻であった。 国の版図の上では、東に偏り過ぎた山国の首都よりも、太宰府は、遥かに開けていた。大陸か....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
せながら、幽霊のように街道を通っていった……。クリストフは車窓に顔をくっつけて、版図の境界を示す帝国章のついた標柱を見ようとつとめた。汽車がベルギーの最初の駅へ....
国会図書館の窓から」より 著者:中井正一
に流し作業をすることも任務の一つとなっている。この四月までに出版後一月で日本の出版図書のカードが印刷され得るところまで到達する予定である。 学術会議の図書館も....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
中部地方、和賀、稗貫、紫波の三郡を設置しました。けだしこの辺までは、完全に帝国の版図に加わったのであります。 しかしこの頃から、だんだんと中央政府における貴族....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
地でないシッキムの範囲内へ城を築いたそうです。 その地は今から見てもシッキムの版図内ということはよく分って居る。けだしチベット人はもちろんシッキムを占領する権....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
著者 しるす 政教子、一日机により新紙を読むに、天下の論鋒ようやく進みて政教の版図に入り、舌戦、筆闘、壇上やや穏やかならざる事情あるを見る。立ちて社会の風潮を....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ア国に通ずる鉄路あり。この港もとボリビアの所有なりしが、数十年前の戦争後、チリの版図に入れり。 十一月十九日(日曜)、晴れ。終日碇泊。この海岸一帯、年中一滴の....
食道楽」より 著者:村井弦斎
くまはくけ》の温室でもマンゴーの実が成ります。そういう風に世界各国の菓物が我邦の版図内《はんとない》で出来るのですから充分に種類を改良して上等の物ばかり産出させ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
マとグレシアとの争った所だ。右は ペネイオスの流、左腋はオリムポスの山だ。最大の版図が、水の砂に吸われるように滅びた。 王は奔る。公民は凱歌を奏する。頭を挙げて....
芸術は革命的精神に醗酵す」より 著者:小川未明
因に対しては疑わなかった。それを疑うことは、怖しいことゝして来た。圧搾せられたる版図に於て、自由を求めた。恨みを述べた。そして人生というものを宿命的のものに強い....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
に述べるような他の地方の実際ともいよいよ喰いちがうのである。 日本の中央部、全版図の約半分の虎杖方言はこれで一先ず分ったとして、他の半分を占める国の端々が、い....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
の異名で、ヨシキリもムギウラシもまだ生れなかった以前、京阪江戸を含んだ広い日本の版図には、簡単にあの啼声を模擬したギョギョシ系統の言葉が行われていて、俳諧の行々....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
たいと思う。 祭日考以後、自分が頻りに問題にしていることの一つは、今日日本の全版図にわたって、少しずつの地方差はありながらも、まず一般に記憶せられている年中行....