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牙
「牙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ではない。どうかするとその拍子に切り返した太刀を、逆にまわして、後ろから来る犬の
牙《きば》を、防がなければならない事さえある。それでもさすがにいつか傷をうけたの....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
。」と言ったと思うと、もう口笛の声が森中にひびき渡って、一匹の斑犬《ぶちいぬ》が
牙《きば》をむき出しながら、駈けて来ました。
「これは噛めという犬だ。この犬を相....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
た。その時の平太夫の姿と申しましたら、とんと穽《わな》にでもかかった狐のように、
牙ばかりむき出して、まだ未練らしく喘《あえ》ぎながら、身悶えしていたそうでござい....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
日は兼ねての約束通り柳橋の舟宿《ふなやど》で落合ってから、まだ月の出ない中に、猪
牙舟《ちょきぶね》で大川へ漕ぎ出しました。
「あの頃の大川《おおかわ》の夕景色は....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
に行長の首を打ち落した。が、この恐しい倭将《わしょう》の首は口惜《くや》しそうに
牙《きば》を噛《か》み噛み、もとの体へ舞い戻ろうとした。この不思議を見た桂月香《....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
青貝とを象嵌《ぞうがん》した、極めて精巧な細工《さいく》らしい。その上顔は美しい
牙彫《げぼり》で、しかも唇には珊瑚《さんご》のような一点の朱まで加えてある。……....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
た時にも、大川は今のごとく、船宿の桟橋《さんばし》に、岸の青蘆《あおあし》に、猪
牙船《ちょきぶね》の船腹にものういささやきをくり返していたのである。
ことにこ....
「白」より 著者:芥川竜之介
の容子《ようす》は火のように燃えた眼の色と云い、刃物《はもの》のようにむき出した
牙《きば》の列と云い、今にも噛《か》みつくかと思うくらい、恐ろしいけんまくを見せ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
き止め難いごとく刻薄であった。猪首の若者はまっ赤になって、狼《おおかみ》のように
牙《きば》を噛みながら、次第にのしかかって来る千曳《ちびき》の岩を逞しい肩に支え....
「少年」より 著者:芥川竜之介
と微醺《びくん》を帯びた父は彼の芸術的感興をも物質的欲望と解釈したのであろう。象
牙《ぞうげ》の箸《はし》をとり上げたと思うと、わざと彼の鼻の上へ醤油の匂《におい....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
殺戮《さつりく》、姦淫《かんいん》等に於ても、決して「黄金の島」を探しに来た西班
牙人《スペインじん》、葡萄
牙人《ポルトガルじん》、和蘭人《オランダじん》、英吉利....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
たら、第六天の魔王|波旬《はじゅん》は、三人の魔女なぞを遣《つかわ》すよりも、六
牙象王《ろくげのぞうおう》の味噌漬《みそづ》けだの、天竜八部《てんりゅうはちぶ》....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
は》わせていると、その細い蔓《つる》や葉がどうも気になって仕方がない。そのほか象
牙《ぞうげ》の箸《はし》とか、青銅の火箸とか云う先の尖《とが》った物を見ても、や....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
でも、英吉利《イギリス》でも、独逸《ドイツ》でも、墺太利《オウスタリ》でも、西班
牙《スペイン》でも、この口碑が伝わっていない国は、ほとんど一つもない。従って、古....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
うに積みあげて、大よろこびでこの光景を見つめ、白い眼玉をぐるぐるまわしながら、象
牙のような白い歯を耳から耳までむきだして、にたにたしていた。悪戯小僧どもを鞭でこ....