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牙彫
「牙彫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牙彫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
青貝とを象嵌《ぞうがん》した、極めて精巧な細工《さいく》らしい。その上顔は美しい
牙彫《げぼり》で、しかも唇には珊瑚《さんご》のような一点の朱まで加えてある。……....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
は、張肱に竹の如意を提げ、一人、目の窪んだ、鼻の低い頤の尖ったのが、紐に通して、
牙彫の白髑髏を胸から斜に取って、腰に附けた。 その上、まだある。申合わせて三人....
「回想録」より 著者:高村光太郎
ら、合いはしないのだけれど、食べられぬからそんな仕事をするより外なかった。当時|
牙彫がよく横浜に出て、非常に儲かったものだそうだが、父は自分は木彫を習ったのだか....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
大いに困じ果てました。 ところが、木彫りがこんなに微々として振わぬに反して、象
牙彫りは実に盛んになって来ました。この時分は、正に、
牙彫り全盛時代といってもよろ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
今である……とこう私も考えている。それが私のおかしな意地であったが、とにかく、象
牙彫りをやって、それを風呂敷に包んで牙商の店頭へ売りに行くなぞは身を斬られても嫌....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
して日本美術協会のあることを知り、また出品したかというと、それは、石川光明という
牙彫りの名人で、当時既に
牙彫りでは日本で一、二を争う人となっていた人であったので....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ただ仕事が出来るという位の処であった。 その頃、木彫りは衰え切っている。しかし
牙彫りの方は全盛で、この方には知名の人が多く立派に門戸を張ってやっている。その中....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
となって出来たのであります(ちょっと断わって置きますが、その当時の彫刻家は全部|
牙彫という有様であった)。その彫刻界に一つの刺撃が与えられそれが導火線となってこ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
そこで、この会名の相談になったのでありますが、
牙彫家の集団の会であるから、
牙彫の「牙」という文字を入れるか、入れないかという間....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
うに硝子箱に製品を陳列するなどの準備などは無論なく、無雑作なやり方ではあったが、
牙彫の製品はかなり出品があって賑やかであった。木彫の方は私は都合が悪くて出品しま....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
親指の頭位ある小さな髑髏を持って来て見せました。あまり見事なのでよく見ましたら象
牙彫の根附でした。その人のいいますのに、これは旭玉山という彫刻師の作で、この人は....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
のために各種にわたった作品を各名手の人々に依嘱していたのであったが、蒔絵、彫金、
牙彫のような製作はすべて注文済みとなり、作品も出来上がった物もあったが、ただ、一....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
間があったり仕事部屋があったりする処は妙だと、近所の人に聞いて見ると、これまでは
牙彫師の鵜沢柳月という人が住んでいたのだということでした。 この人は先に彫工会....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
る人は多少はありました。多少はあるにはあっても、その中に腕のすぐれた人はなおさら
牙彫りの方へ職を変えてしまいましたから、一層木彫りの方は頽れて行ったような次第で....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
のであります。随分、前途有望の身で、途中で斃れた弟子があります。矢沢陸太郎(或る
牙彫師の弟)、今岡吉蔵、角田新之助、野房義平などいう人はいずれも修業盛りで死んで....