牛の歩み[語句情報] » 牛の歩み

「牛の歩み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

牛の歩みの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《びふくもん》の外は、よく狐火の燃える所だけに、何となく鬼気が身に迫って、心無い牛の歩みさえ早くなるような気が致されます。――そう思うと、急に向うの築土《ついじ....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
)焼酎《しょうちゅう》の御馳走 一行は多少ヤケ気味に、それよりはブラリブラリと牛の歩み宜《よろ》しく、またもや一里あまり進んで、南方《みなみかた》村という寒村....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
験があるだけに、現在の状態もあながちに悲観するには及ばない。たとい亀の歩みでも、牛の歩みでも、歩一歩ずつ進んでいるには相違ないと云うことだけは信じている。ただ、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
云えば、こういうものがこれだけ面白いとはこれまで思えませんでした。どうか当分は蝸牛の歩みよしおそくとも、というところで、御辛棒下さい。私が急に一日に百頁もよんだ....
おせん」より 著者:邦枝完二
うちに、駕籠は更に多くの人数に取巻かれながら、芳町通りを左へ、おやじ橋を渡って、牛の歩みよりもゆるやかに進んでいた。 菊之丞の駕籠を一|町ばかり隔てて、あたか....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、頼むぞ」 と今、女に渡し、自分の牛の背にまたがって、そこから半里ほどを悠々と牛の歩みにまかせて歩いた。 ほんの走り書きの一筆であったが、使いに持たせてやっ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
多にきかないし、道中も並んでは歩かない。 しかし先へ行く武蔵の足も、後から来る牛の歩みに合せて、初めの約束の如く、江戸表まで共に出ようといった言葉を破棄してし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
立ち去ってゆく。――ここは二条京極の中川のほとり、大内の宮門はすぐそこだ。牛車の牛の歩みでもつかのまといっていい。 しかし、そのわずかな距離も、白昼の世間であ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
に驚きもしなかった。そしてすぐ彼も山から姿を消した。 一方。――牛の背に乗って牛の歩みまかせに、人里へ降りて行った毛利時親は、まだ高野街道の途中にいた。 し....