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「牛乳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

牛乳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
この一枚の風景画は同時に又本所の町々の投げた精神的陰影の全部だった。 二牛乳 信輔は全然母の乳を吸ったことのない少年だった。元来体の弱かった母は一粒....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
御新造《ごしんぞ》は何しろ子供のように、可愛がっていらしった犬ですから、わざわざ牛乳を取ってやったり、宝丹《ほうたん》を口へ啣《ふく》ませてやったり、随分大事に....
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
い長火鉢の前に昼飯の支度も出来上っていた。のみならず母は次男の多加志《たかし》に牛乳やトオストを養っていた。しかし僕は習慣上朝らしい気もちを持ったまま、人気のな....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
た。それから隔ての襖《ふすま》を明けると、隣の病室へはいって行った。 「ソップも牛乳もおさまった? そりゃ今日は大出来《おおでき》だね。まあ精々《せいぜい》食べ....
」より 著者:芥川竜之介
だ》つように感じました。まっ黒! そんなはずはありません。白はまだ子犬の時から、牛乳《ぎゅうにゅう》のように白かったのですから。しかし今前足を見ると、いや、――....
捨児」より 著者:芥川竜之介
すから、育てると云ったにした所が、容易な事じゃありません。守《も》りをするのから牛乳の世話まで、和尚自身が看経《かんきん》の暇には、面倒を見ると云う始末なのです....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
養家に来たから、(養家は母かたの伯父の家だった。)僕の父にも冷淡だった。僕の父は牛乳屋であり、小さい成功者の一人らしかった。僕に当時新らしかった果物や飲料を教え....
或る女」より 著者:有島武郎
類のないほど肉感的な手足の指の先細《さきぼそ》な所に利点を見せていた。むっくりと牛乳色の皮膚に包まれた地蔵肩《じぞうがた》の上に据《す》えられたその顔はまた葉子....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
ち三人を自分の枕許や、左右に臥《ふせ》らして、夜通し一人を寝かしつけたり、一人に牛乳を温めてあてがったり、一人に小用をさせたりして、碌々《ろくろく》熟睡する暇も....
卑怯者」より 著者:有島武郎
らはすかいにあたる向こう側の、格子戸《こうしど》立ての平家《ひらや》の軒さきに、牛乳の配達車が一台置いてあった。水色のペンキで塗りつぶした箱の横腹に、「精乳社」....
火事とポチ」より 著者:有島武郎
ポチのそばをはなれないで、じっとその様子《ようす》を見ていた。おかあさんが女中に牛乳《ぎゅうにゅう》で煮《に》たおかゆを持って来させた。ポチは喜んでそれを食べて....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
に余るくらいな配縄をすっかりたくしこんでしまうころには、海の上は少し墨汁を加えた牛乳のようにぼんやり暮れ残って、そこらにながめやられる漁船のあるものは、帆を張り....
追憶」より 著者:芥川竜之介
いるかもしれない。僕はただ彼のことをヒサイダさんと称していた。彼は僕の実家にいる牛乳配達の一人だった。同時にまた今日ほどたくさんいない社会主義者の一人だった。僕....
歯車」より 著者:芥川竜之介
な所に行っていたのだろう?」 「さあ、鼠かも知れません」 僕は給仕の退いた後、牛乳を入れない珈琲を飲み、前の小説を仕上げにかかった。凝灰岩を四角に組んだ窓は雪....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
築の立っていたのに明治時代そのものを感じている。が、セセッション式の本所会館は「牛乳デー」とかいうもののために植込みのある玄関の前に大きいポスターを掲げたり、宣....