牛酪[語句情報] »
牛酪
「牛酪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牛酪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「泥濘」より 著者:梶井基次郎
うのと同じという答えが出たりする。有楽町で途中下車して銀座へ出、茶や砂糖、パン、
牛酪《バター》などを買った。人通りが少い。ここでも三四人の店員が雪投げをしていた....
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
「何をしに自分は来たのだ」 彼はそれが自分自身への口実の、珈琲《コーヒー》や
牛酪《バター》やパンや筆を買ったあとで、ときには憤怒のようなものを感じながら高価....
「明暗」より 著者:夏目漱石
なかった。
お延は手早く包紙を解いて、中から紅茶の缶《かん》と、麺麭《パン》と
牛酪《バタ》を取り出した。
「おやおやこれ召《め》しゃがるの。そんなら時《とき》....
「野分」より 著者:夏目漱石
た焼麺麭《やきパン》の一|片《ぺん》を、横合から半円形に食い欠いた。親指についた
牛酪《バタ》をそのまま袴《はかま》の膝《ひざ》へなすりつけた。 「芸妓、紳士、通....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
のだ」
「なるほど」と検事は皮肉に笑って、「五月になれば、林檎の花が咲き、城内の
牛酪小屋からは性慾的な臭いが訪れて来る。そうなれば、なにしろ亭主が十字軍に行って....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
布団のような雲に乗って空から降ってくる天の使者や、アブラハムや、ベルシャザアや、
牛酪皿に乗って海に出て行こうとしている使者達や、幾百と云う彼の心を惹く人物がそこ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
信ずる「階級」の仕事だから、今度はさかんに「略取」する。無産の室代八|留。無産の
牛酪一|片――厚さ二分弱一寸四方――五十|哥――牛乳――とよりも些さか牛乳に似た....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かきのような杓子《しゃくし》を取添えて、 「これは、チュガ公の母親がこしらえた白
牛酪《はくぎゅうらく》だよ、薬物だから、少しお食べ」 すすめられるままに、その....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
したがって鸛は新鮮な餌に不自由しないというわけなんですか。 蛙の料理というと、
牛酪炒《ソテエ》、空揚《フリ》、薄衣揚《コットレット》、葡萄酒煮《シャッスウル》....
「犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
れい》といったていで椅子に掛けて、ぐったりと首を投げ出している。 スパゲティを
牛酪《バタ》で炒《いた》めている最中で、こちらも火急の場合だったが、石亭先生の弱....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
結構だ。妻沼橋あたりで釣れる三、四寸に育ったものは、塩焼きがよい。塩蒸しもよい。
牛酪で焼いて冷羹をかけて洋箸で切れば、味聖も讃辞を惜しまぬであろう。 数年前ま....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
します。 「はい、メリケン粉」 「その次は、お砂糖」 「はい、これがお砂糖」 「
牛酪《バタ》を少々」 「はい、
牛酪《バタ》。……
牛酪《バタ》は少々古いです。かま....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
の車は前だけにしか動かないよ。お腹《なか》がすいたら、この籠の中に麺麭《パン》と
牛酪《フウル》が入ってるから、それでも喰べて我慢していたまえ」と、背中越しに籠を....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
た。何という雑草の青の新鮮さ。海はまたかぎりなく明るかった。やや紅と金とを交えた
牛酪いろの一面のはるばるしい漣であった。いよいよ夕凪だなと、私は私の船室の方へ、....
「それから」より 著者:夏目漱石
約三十分の後彼は食卓に就いた。熱い紅茶を啜《すす》りながら焼麺麭《やきパン》に
牛酪《バタ》を付けていると、門野《かどの》と云う書生が座敷から新聞を畳んで持って....