牛飼い[語句情報] » 牛飼い

「牛飼い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

牛飼いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
、町すじの荒涼としているだけに、ひときわ目に立ってなまめかしい。それにつき添った牛飼いの童《わらべ》と雑色《ぞうしき》とは、うさんらしく太郎のほうへ目をやったが....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ありがた》がった事がございましたが、その時も若殿様は、大殿様のいらっしゃる前で、牛飼いの童子に御向いなさりながら、「その方はうつけものじゃな。所詮《しょせん》牛....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
君の計らいで、この玉を僕に売ってくれまいか。」と、大胆な事を云い出した。 十六牛飼いの若者は否《いや》と返事をする代りに、頬《ほお》を脹《ふく》らせたまま黙っ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
牛車の軋《きし》る音がぎいぎいと遠くきこえた。木蔭からそっと首をのばして窺うと、牛飼いもない一|輌《りょう》の大きい車が牛のひくままにこちらへ徐《しず》かにきし....
写生紀行」より 著者:寺田寅彦
重宝がられるセザンヌ式の切り通し道の赤土の崖もあれば、そのさきにはまた旧派向きの牛飼い小屋もあった。いわゆる原っぱへ出ると、南を向いた丘の斜面の草原には秋草もあ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
んだ。おれは大地に接吻もしなければ、大地の胸を切り裂こうともしない。おれに百姓か牛飼いにでもなれっていうのかい? こうしておれは進んで行きながら、自分が悪臭と汚....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のような小さい眼で彼の顔をのぞき込んだ。クリストフは思い出した。ロールヘンの家の牛飼いの少女だった。彼は鞄を指《ゆびさ》しながら言った。 「僕へだろう、ね?」 ....
家なき子」より 著者:楠山正雄
わたしはカピに牛を止めるように声をかけた。だがだれでも万能ということはできない。牛飼い、馬飼いの犬なら鼻づらにとびついたであろうが、カピは牛の足にとびついた。 ....
博物誌」より 著者:岸田国士
そして、これまでのところはまだそんなことはなかったにしても、彼がその気になれば、牛飼いなどは角の弓にかけて、矢でも飛ばすように空中に抛り上げるかも知れない。なん....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
ではあったけれど貴族ではなくて賤民であった。綽名を牛丸というだけあって彼の職業は牛飼いであった。姓を馬飼と云いながら牛を飼うとはコレいかに? と、皮肉な読者は突....
自伝」より 著者:黒島伝治
て死んじゃったが、その時は気持がよくって胸がすっとした。 鰯網が出ない時には、牛飼いをやった。又牛の草を苅りに出た。が、なか/\草は苅らずに、遊んだり角力を取....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
焼酎を牛に吹きかけてアンマすると肉がよくなるそうで、時々二升ぐらい吹きかけるが、牛飼いが、半分飲み飲み吹きかけるから実績は一升ぐらい吹きかけたことにしかならない....
かもじの美術家」より 著者:神西清
うに畜生じみて来た人間は、牛小屋へ入れて試して見ることになっていた。というのは、牛飼いというものは元来が年の入った、物に動じない連中なので、精神病の「鑑定」には....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
彼は先きに立って大股にあるき出した。小坂部はもうそれに抗う気力はなかった。かれは牛飼いに牽かるる仔牛のように、素直に男のあとに付いてゆくと、彼は五、六町ほども細....
少年たち」より 著者:神西清
これまでは、ヴォローヂャも家へ帰ると、クリスマス・ツリーの用意をしたり、馭者や牛飼いが雪の山をつくるのを見に、庭へ走って行ったりしたものだった。ところが、この....