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牡丹刷毛
「牡丹刷毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牡丹刷毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
入りをすました。師匠と並んだ部屋の、鏡の前にすわって、羽二重《はぶたえ》を貼り、
牡丹刷毛《ぼたんばけ》をとり上げる。
いくらか、心が澄んで来た。
将門《まさ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
部屋着の丹前を重ね、鏡台の前へだらしなく坐り、胸を開けて乳房を見せ、そこへ大きな
牡丹刷毛で、ヤケに白粉を叩きつけているのは、座頭阪東米八であった。年はおおかた二....
「神楽坂」より 著者:矢田津世子
金魚をみていた爺さんの眼が鏡台をひき寄せて派手な藍絞りの湯帷子の衿元を寛げて
牡丹刷毛をつかっているお初の方へと移っていった。 「また、おねだりかい」 こう....
「旅役者の妻より」より 著者:矢田津世子
ているようで、御飯の時以外には体の休む時はなくたよりひとつ書けず、良人は良人とて
牡丹刷毛はもてど筆もつすべは知らず、ついつい明日は明日はとのびのびになり加様に御....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
りの蚊帳売りや、懶い稽古三味の音が絶えて、ここやかしこ、玉の諸肌を押し脱ぐ女が、
牡丹刷毛から涼風を薫らせると、柳隠れにいろは茶屋四十八軒、立慶河岸の水に影を映し....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
話し残りがあったものを。じゃ、いろいろお世話をかけたけれど、宅助や、あばよ――」
牡丹刷毛をもって、しきりと顔をはいていたいろは茶屋のお品は、塗りあげた肌を入れて....