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「牡蠣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

牡蠣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
んだな」 ガンベがそういった。そうして一同が高く笑い崩れるにしたがって、片方の牡蠣《かき》のように盲《めし》いた眼までを輝かして顔だけでめちゃめちゃに笑った。....
鰊漁場」より 著者:島木健作
おろして海底を曳きまわしはじめた。彼らはそうやって海底の岩礁の形や、岩石の表面に牡蠣や、日和貝等の附着した箇所を知るのであった。鰊建網は長さ四十間にわたって海底....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
半蔵も着物を改めて来て簡素なのしめ膳の前にかしこまった。焼き海苔、柚味噌、それに牡蠣の三杯酢ぐらいの箸休めで、盃のやりとりもはじまった。さびしい時雨の音を聞きな....
異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
くて弾力性に富んでいる。これを食べるには余程の勇気がいる。フランス人に云わせれば牡蠣だって形は感じのいいものではない。ただ牡蠣は水中に住み、蝸牛は地中に住んでい....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
三年前に置去りにされてね、」と彼は言い続けた。「それからこっちは、山羊と、苺と、牡蠣で命を繋いで来たんだ。どこにいても人間ってものはね、人間てものはどうにかやっ....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
って、誰でもこんなにやきもきするものかしら。(気分をかえて)えー斧足類は蛤に蜆に牡蠣、あさり、あげまき、帆立貝、赤貝、ばか貝。 △音響、格子ががらがらとあく。(....
決闘」より 著者:神西清
った。そうした連中が、触角や足や、また原形質とかいうもの(なんとなく彼にはそれが牡蠣みたいなものに想像された)を基にして、人類の起原や生態までを包括している問題....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
「何処へ行ったか?」 しかし岩太郎は、係長と向合って腰掛けたまま、脹れ面をして牡蠣のように黙っていた。 巡査がまごついて横から口を出した。 「もっとも、何で....
鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
ブツ切りなどであるが、鯛は自然に生活しているこのほかに榮螺、宿借、蛤、浅利、蟹、牡蠣、ウニ、ユウ、磯巾着、海藻、人手など、そのほか、なにを食べているか分からない....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
っているものは猩紅の血、黄金の蛇だ。巨人の槌を振う山が眠っているばかりだ。そして牡蠣の※然たるが如くに、彼等はそこに眠るんだ。 アントオニオ (半ば立上って。)....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
とも自分からは、ばあやは青年と気が合っていると思い込んでいた。 「お嬢さま、この牡蠣のフライと山葵漬はおあがりになりませんね。では、これを重光さんのお肴にとっと....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
(おくみ、後姿を見送り合掌、幕) 第二場 (舞台正面、源右衛門の住家。牡蠣殻を載せた板屋根、船虫の穴だらけの柱、潮風に佗びてはいるが、此の辺の漁師の親....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
切れないように満面を莞爾々々さして、「何十年来の溜飲が一時に下った。赤錆だらけの牡蠣殻だらけのボロ船が少しも恐ろしい事アないが、それでも逃がして浦塩へ追い込める....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
を鎖ざして、海から吹いて来る寒い風をふせぎ、一日の労働――この頃は全村こぞって、牡蠣を殻からこわして出す見るから冷たそうな仕事を一日じゅうしています――の休息を....
夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」より 著者:北大路魯山人
の者は、まずもって求める者以上に、主婦をしてよい料理体験をなさしめることである。牡蠣雑炊 こんなものを作ることは、まったくなんでもないことで、誰にでもわけなく....