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「牡鹿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

牡鹿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ひと》り下《くだ》って来た。その時の彼の心の中《うち》には、さっき射損じた一頭の牡鹿《おじか》が、まだ折々は未練がましく、鮮《あざや》かな姿を浮べていた。ところ....
仇討三態」より 著者:菊池寛
、弘化、嘉永、安政と、三十年間、日本国中を探し回った。幸太郎が安政四年に、陸奥国牡鹿郡折の浜の小庵に、剃髪して黙昭と名乗って隠れて忍んでいる休右衛門を見出したの....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
では種々の準備が整っている。海が幾日も暴れて、山中の食料がつきた場合には、対岸の牡鹿半島にむかって合図の鐘を撞くと、半島の南端、鮎川村の忠実なる漁民は、いかなる....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が、静かな洗煉された調子で云った。 「いや、|打たれし牝鹿は泣きて行け、|無情の牡鹿は戯るる――の方でしょうよ。しかし、先刻貴方は、僕が『ゴンザーゴ殺し』の中の....
正義と微笑」より 著者:太宰治
十四章。汝穢わしき物は何も食う勿れ。汝らが食うべき獣蓄は是なり即ち牛、羊、山羊、牡鹿、羚羊、小鹿、※、など。凡て獣蓄の中蹄の分れ割れて二つの蹄を成せる反蒭獣は汝....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
にもさを鹿鳴くも 〔巻十・二一四七〕 作者不詳 作者不明。野にも山にもしきりに牡鹿が鳴いている。山のべに行く猟師は随分多いのだが、というので、猟師は恐ろしいも....
夢占」より 著者:楠山正雄
一 むかし、摂津国の刀我野という所に、一|匹の牡鹿が住んでいました。この牡鹿には二|匹仲のいい牝鹿があって、一|匹の牝鹿は摂津....
安吾下田外史」より 著者:坂口安吾
崎に封じこめて近づけなかったのもその為であるし、仙台の伊達政宗が支倉を船出させた牡鹿半島の月ノ浦というところは他日通商を開く場合にここを港と政宗が予定していたと....
アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
番え 大空を射ると,山の木原から 胡桃の風,つむじ風が吹いて来て 山の木原から,牡鹿の群は別に 牝鹿の群はまた別に,風に吹き上げられ ずーっと天空へきれいになら....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
方がなかったという彼の悲しい運命なのである。 支倉一行が舟出したという月の浦は牡鹿半島の西海岸にあるね。ちょうど自動車がその上の山道を走っているとき故障を起し....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ローカルでユニークな流派が存在するということはないようであった。 仙台から北の牡鹿半島のノドクビに石の巻という漁港がある。ここにまだ三十そこそこの女アンマがい....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
人の罪だ。 それはとにかくとして、僕の会社のキャッチャーボートが四、五艘、いま牡鹿半島の鮎川港を根拠地としていて、毎日金華山沖で盛んに捕鯨をやっている。僕は、....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
』には畠山重忠が狭少の葛岡郡(後玉造郡の一部)を与えられ、葛西清重が伊沢・磐井・牡鹿郡以下、数ヵ所を拝領したとあるほかには、千葉介最もこれを拝領すといい、重忠の....
「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
であったが、しかもその直接の原因は、呰麻呂の出身がもと夷俘であったが為に、心なき牡鹿郡の大領|道島大楯が、常にこれを遇するに夷俘を以てした事を恨んだが為であった....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
も家柄はもと蝦夷の流れであったと思われますが、早くから日本民族の仲間になっていた牡鹿郡の大領|道島大楯という者から、相変らず蝦夷待遇を与えられるのを憤慨しまして....