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「牢乎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

牢乎の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
はどうしたって妻だからね。その妻が女学校で行灯袴《あんどんばかま》を穿《は》いて牢乎《ろうこ》たる個性を鍛《きた》え上げて、束髪姿で乗り込んでくるんだから、とて....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
申者共も、方々為有レ之由候。 と有るのを見ても、因襲既に久しきがため、この風の牢乎《ろうこ》として抜き難かったことを知ることが出来よう。かくて、後年に至って薩....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
る。 しかし仔細に点検して来ると、その鬼神も端倪すべからざる痛快的逸話の中にも牢乎として動かすべからざる翁一流の信念、天性の一貫しているところを明白に認める事....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
も達していないのですが、もうこっちのもの、という信念を米友に持たせることに於ては牢乎《ろうこ》として動かすべからざるものがあったのですから、米友の取扱いもいっそ....
南島譚」より 著者:中島敦
勝利という動かし難い輝かしい証拠があるのだから。斯《こ》うした実証を伴う偏見ほど牢乎《ろうこ》たるものはない。実際エビルは、彼女の現実の情事は常に正義であり、夫....
戦争論」より 著者:坂口安吾
かゝる本能や、人情が、果して真実のものであろうか。 もとより、現実の家の制度の牢乎たる歴史の上では、本能も、人情も、ぬきがたい人間の実相の如く見えている。又、....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
産出した気紛れのように思うが、決して※んな浮いた泡のような空想ではなかったので、牢乎として抜くべからざる多年の根強い根柢があったのだ。今にして思うと、三十年前に....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
我が万世一系天壌無窮の皇運は絶対(註四)のものである。これに対する国民の信念は牢乎として抜くべからざるものがある。いかなる場合にも異姓の者を以てこれに代えんと....