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「牧人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

牧人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
走れメロス」より 著者:太宰治
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感....
十二支考」より 著者:南方熊楠
見出し数年間その傍に眠ってまで教練しただけが取り処でしょうと言ったそうだ。ミ師は牧人が群羊を一縦列にして追い入るに二十疋過ぐるごとに一吠《ひとほ》えする犬あり、....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
も決して無理ではない。必ずしも豹変するのではなくて、時代の趨勢を追うて行く思想の牧人と云った方がよく、まして変節漢などの類ではないのだ。 彼が優れた独創家でな....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
、すこしも牛という家畜の概念に適合しない、完全な野獣に還元してしまう。今この闘牛牧人の苦心を叩くと、単に野放しに育てると言ったところで、そこにはやはり色んなこつ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
愉しく頂きました。あの詩にはね、続篇のように、泉の歓びというのがあるのよ、あれは牧人の側からのですけれども、それはその森かげの温い泉の方からうたわれています。軟....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いの髪を巻いて、髪粉をつけた髪には薔薇の花が挿してあった。隅ずみには磁器製の男の牧人と女の牧人や、有名なレフロイの工場製の食堂用時計や、紙匣や、球転(一種の賭博....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のである。彼が想像したダヴィデは、勇武がその中に眠ってる童貞の心をもった、詩的な牧人であり、南方のジーグフリートであり、より高雅な民族の者であり、身体と思想とが....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っぽい露《あら》わな古い大道の上を、股《また》に毛皮をつけた山羊足《やぎあし》の牧人たちが、低い驢馬《ろば》や子驢馬の列を引き連れて黙々と歩いていた。地平線の奥....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
党を組んでいます。狼《おおかみ》の群れでございます。」 「村長どの、イエスが私を牧人《ひつじかい》にされたのは、まさにそれらの群れの牧人にされたのかもわかりませ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
あらゆる影と光とは、その地位を変えたのである。それはただある夏の日の午後、一人の牧人が森の中で一人のプロシア人に向かって、「こちらからおいでなさい、あちらからは....
火の扉」より 著者:岸田国士
がちく/\痛むのをじつとこらえて、彼女はにらむまねをした。 この若い衆は市ノ瀬牧人という農業会の指導部にいる男で、ついせんだつて復員したばかりである。以前から....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
p. 15. かかる事情の下においては、青年期に達した若者は、誰かが死んで、牧人か搾乳者かその他類似の職業が空席となるまでは、その父の家を去って結婚すること....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
ロスはその笛を以てシリンクスを喚び起し、あらゆる物をして欲望に膨れしめた。そして牧人は牧女に伍して……。 バチスタ 引いて行く、実質もない雲には彼は心を賦与した....
月と海豹」より 著者:小川未明
ました。月は、この有様を空の上から見たのであります。 これ等の男女は、いずれも牧人でした。もうこの地方は暖かで、みんなは畑や田に出て、耕やさなければなりません....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
運ぶゝゝゝゝ 行々子 ゝゝゝ群れて戦ふゝゝゝゝ 鋸山 ゝゝゝ戦二合のゝゝゝゝ牧人 ゝゝゝ斥候忙しゝゝゝゝ 蘆子 ゝゝゝ骸運ばざるゝゝゝゝ 享夫 の類であ....