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「物々交換〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物々交換の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
土が層をなしていて、それが即ち今戸焼には好適の材料となるので、つまり暗黙のうちに物々交換をする訳なのである。 この石投げということは、俳諧の季題にある印地打と....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
にする。世の中そのものがばかばかしいのにだれがよくまじめでいられよう! といい、物々交換の精神は至るところに現われている。義だ! 貞節だ! などというが、真善の....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の素人専門家の悪口や失敗をなじることや、横取りすることはありません。依頼するのに物々交換ですから、少しも金は要りません。自給自足ですから殆んど都会から格別な品物....
中庸」より 著者:坂口安吾
が必要だね」 「小学校の先生に必要なのは腕ッ節だけよ。次に、教育者の自覚としては物々交換ということかな。与える者は取るべし。あなたには何も与えないけど、この村の....
熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
わって取り寄せてやるなど、移住開墾者達と都会人との間に立って、彼等の売買、或いは物々交換に、いろいろ面倒を見てやりたいというのだった。同時に、今まで貸し付けて来....
水甕」より 著者:豊島与志雄
という議が起りました。そして代償としては、コード用の銅線ばかりでありました。その物々交換の交渉は、専務と中本との間でなされ、専務はその決定を従業員の幹部へ通達し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
という人たちであります。 これらの人は、この妙見の社を市場として一種の奇妙なる物々交換を行う。 萩原から米を持って来て、妙見の社へ置いて帰ると、数日を経て小....
山道」より 著者:中里介山
ちらの熊沢大菩薩がそれでありますが、名分上の頂は此処であります、ここに近代までの物々交換のあとがありました、妙見のお堂も近年まで此処にあったそうです、また昔しは....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
たとえば昔なら物を造る者とこれを用うる者が直接に出会《であ》って、相談のうえに物々交換《ぶつぶつこうかん》を行った。こういう場合には値段《ねだん》を定むるに両....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
あか》ほどもありやしないんだから……」 「カフエーのお客でなくったって、いま時、物々交換でなくちゃ……この世の中はせち辛いのよ。」 「あんなところで働くのは、体....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
の垢ほどもありゃアしないんだから……。」 「カフェーの客でなくたって、いま時は、物々交換でなくちゃ……せち辛いのよ。」 「あんなとこで働くの、体より神経の方が先....
文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
めに、数学は長く勃興することとならなかったのであるが、事情は次第に変わって来る。物々交換の状態から貨幣経済に次第に進み、貸借の関係は複雑になって、頼母子《たのも....
南路」より 著者:宮本百合子
に適した緯度の上で、全く「今日」に無用な学究なのだろう。腕を強く、自然と人間とが物々交換で、邪魔な者とは喧嘩をし、助ける者には握手をして暮しているのだ。 ....
播州平野」より 著者:宮本百合子
」 と云った。 「お母さんのお心を思うと、わたしは、何とも云えないの。何てひどい物々交換でしょう。ね、お母さんは、大切な一人の息子とひきかえに、やっと一人の息子....
文学における今日の日本的なるもの」より 著者:宮本百合子
防人の悲歌もある。万葉の時代は、日本の民族形成の過程であり、奴隷経済の時代であり物々交換時代であり、現実に今日私たちの生きる社会の機構とくらぶべくもない。万葉の....