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物し
「物し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
せいてき》の結婚を敢《あえ》てする妹のことを書いたものだった。広子はこの上演を見
物した時から、(彼女はよくよく退屈しない限り、小説や戯曲を読んだことはなかった。....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
いない。広い葉の鉢を隠したかげに黄いろい花の開いたのも見える。
「ええ、ざっと見
物しました。――どうです、葉巻は?」
しかし老人は子供のようにちょいと首を振っ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
す。
「と云うのはある日の事、私はやはり友人のドクトルと中村座《なかむらざ》を見
物した帰り途に、たしか珍竹林《ちんちくりん》主人とか号していた曙《あけぼの》新聞....
「路上」より 著者:芥川竜之介
がない。だからこの際《さい》誰かの紹介を貰って、どこでも好《い》いから癲狂院を見
物したいと云っているんだ。――」
俊助はまた金口《きんぐち》に火を付けながら、....
「竜」より 著者:芥川竜之介
事には摂津《せっつ》の国|桜井《さくらい》にいる叔母の尼が、是非その竜の昇天を見
物したいと申すので、遠い路をはるばると上って参ったではございませんか。これには恵....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
とぐち》へ呼び集めて、勿体《もったい》なくも、御主の御悩みを、笑い興じながら、見
物したものでござる。」
記録の語る所によると、クリストは、「物に狂うたような群....
「或る女」より 著者:有島武郎
てそれを拾おうとするのを見ると、船舷《ふなばた》に立ちならんで物珍しげに陸地を見
物していたステヤレージの男女の客は一斉《いっせい》に手をたたいてどよめいた。葉子....
「或る女」より 著者:有島武郎
博士《はかせ》夫婦と今夜ライシアム座にウェルシ嬢の演じたトルストイの「復活」を見
物しました。そこにはキリスト教徒として目をそむけなければならないような場面がない....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
、四軒の農場の主人たちは決勝点の所に一段高く桟敷《さじき》をしつらえてそこから見
物した。松川場主の側には子供に付添って笠井の娘が坐っていた。その娘は二、三年前か....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
たのは五つか六つの時だったであろう。僕は確か父といっしょにそういう珍しいものを見
物した大川端の二州楼へ行った。活動写真は今のように大きい幕に映るのではない。少な....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
私の好奇心は我慢し切れぬ程高まって、商売道具の掃除をして居られなくなった。一つ見
物してやろうと思って立ち上ろうとする途端に、 様あ見やがれ。 と云う鋭い声がか....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
狂言、猿楽などで、家来達の中にそれぞれその道の巧者なのが居りまして、私達も時々見
物したものでございます。けれども自分でそれをやった覚えはございませぬ。京とは異っ....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
のだ。火星じゃ君、俳優が国王よりも権力があって、芝居が初まると国民が一人残らず見
物しなけやならん憲法があるのだから、それはそれは非常な大入だよ、そんな大仕掛な芝....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ト(Academia del Cimento)に行って、図書館、庭園、博物館を見
物した。ここにはガリレオの作った望遠鏡は純粋の炭素より成ることを確めた。 四月....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
は大抵小幡小平次とか累とかいう怪談物だった。僕は近頃大阪へ行き、久振りに文楽を見
物した。けれども今日の文楽は僕の昔みた人形芝居よりも軽業じみたけれんを使っていな....