物する[語句情報] » 物する

「物する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
に逗留した。ここに積もった雪が、朝から降り出したためではない。別にこのあたりを見物するためでもなかった。……昨夜は、あれから――鶫を鍋でと誂えたのは、しゃも、か....
去年」より 著者:伊藤左千夫
いささか離れているけれど、大敵に包囲されている心地である。もっとも他人の火事を見物するような心持ちではいられないのはもちろんだ。 同業者間にはかねての契約がな....
海底都市」より 著者:海野十三
にした。少年の方はなれていると見え、平気で立っている。 「ねえ、タクマ君。一体見物する第一番の名所はどこなのかね」 僕はたずねた。 「まずこの町の一番高いとこ....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
だに公然とこの鬼仏洞の中へ足を踏み入れたことがないのであるが、近頃この鬼仏洞を見物する連中が殖え、評判が高くなってきたのはいいとして、先頃以来この洞内で、不慮の....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
なにしろカモシカ号としては、二カ月間に地球と月の間を往復し、そして月の世界を見物する日数も、この中にみこんでおかねばならないので、たいへん日がきゅうくつだ。し....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
。だがその日は退屈でもあったので、暇つぶしに、ベラン氏対リーマン博士の押問答を見物するも一興だと思い、ベラン氏の引立てるままに、倶楽部を出ていった。 氏は、艇....
火星兵団」より 著者:海野十三
公爵も、元の王子も、これで灰になって空へまいあがるだろう。どりゃ、一つゆるゆる見物するかな」 と丸木は、にやりと笑って、ペペ山の方にむきなおった。 ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
を拝んで、堺橋から、池の浦、沖の島で空が別れる、上郡から志摩へ入って、日和山を見物する。……海が凪いだら船を出して、伊良子ヶ崎の海鼠で飲もう、何でも五日六日は逗....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ここらまで乗切っていらっしゃいました?」 「そういうわけでもないが、伊勢音頭を見物するつもりもなく、古市より相の山、第一名が好いではないか、あいの山。」 客は....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
行って見るとしようか……。』 『何卒お願い致します……。』 私はただちょっと見物する位のつもりで軽く御返答をしたのでした。 間もなく一つの険しい坂を登りつめ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
に鎮まりて、選ばれたる者どもの恭敬に浸ることを歓び、失われたる者どもの、苦悩を見物することを楽しみとするようなことのある筈もない。 然り、われ等の教には、かか....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
んだ丘の上をはじめ、少し脊の高い松のどの樹にも、天狗が居て、翼を合せ鼻を並べて見物する。親仁は、てくてくと歩み寄ると、閣翁父子の背後へ、就中、翁の尻へ、いきなり....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
ると紅葉や露伴や文壇人の噂をする事も時偶はあったが、舞台の役者を土間や桟敷から見物するような心持でいた。 『浮雲』以後は暫らく韜晦して文壇との交渉を絶ち、文壇へ....
西航日録」より 著者:井上円了
日、朝十時半ロンドン・ユーストン停車場を発し、二時半リバプール町に着す。市中を見物すること一時間半にして、ホワイトスター航路の汽船セルチック号に乗り込む。この船....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
周囲に男女集まりて相おどる。その歌もそのおどりも、わが盆おどりに似たり。これを見物するは、また船中の一興なり。ただ臭気の襲い来たるに閉口せり。 四月一日横浜出....